駅名標が示唆する民族分布(シンガポール・アンモキオ)

(2018年7月に訪問した時の記録です。)トアパヨから地下鉄(MRT)に乗って3駅分郊外に向かいます。どこの国でも多く見られるパターンは、ニュータウン開発は都心に近い場所から進んでいくので、町並みがしだいに新しくなっていきます。地下鉄はいつのまにか高架鉄道に…。車窓から見えてきた団地群にわくわくしながら降りると、そこは「アンモキオ」。1980年前後に開発されたニュータウン・エリアです。wikiによれば人口は16万人。かなり大きなカタマリですね。

注意したいのは駅名標の言語。第一表記が英語であることはトアパヨと同じですが、下に書いてあるのは…?これは、タミル文字なんです。シンガポールの4つある公用語の1つ、タミル語。南インドやスリランカで使われる言語だそうです。

駅名標を見ていると、エリアによってこの第二表記は入れ替わり、それが住民の民族地図を反映しているということを聞きました。シンガポールでは団地の中で民族がミックスされるように比率を決めて入居をコントロールしているとのことですが、どうしても町ができた時期とその時期に多かった移民の関係で、分布に差が出てくるようです。公の場の表示は多言語主義でありながら、現実対応もしているということですね。

ちなみに漢字では「アンモキオ」は「宏茂橋」。「宏」は「安」の異体字と考えれば、なんとなく読めるような気もします。「安茂」は「紅毛」という由来説もあるようです。民族は、つながりながら流れていくのですね。

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