故事にちなんだ団地ゲート(シンガポール・アンモキオ)

(2018年7月に訪問した時の記録です。)「アンモキオ」という地名は漢字では「宏茂橋」または「紅毛橋」ですが、そこには少し不思議な故事が伝えられています。その主人公、レディ・ウィンザーが亡くなったのは1963年と言いますから僕が生まれたより後ではありませんか。それほどシンガポールは最近になってから発展したということです。

その前から「紅毛」とは白人をさす一般的な表現で、日本語でも「紅毛碧眼」という表現がありますね。日本語ならば「異人橋」といったところでしょうか。少し物悲しい響きがあります。

そんな物語をたたえた「アンモキオ」団地のゲートは、たぶん故事にちなんだデザインなのでしょう。色、赤いし。しかしあくまでもモダンで、高層棟の壁面もカラフルで楽しいです。悪趣味に見えないのは包み込む緑が濃いからか、彩度をコントロールしているからでしょうか。

一応チェックゲートのバーがあり、用のあるクルマしか入ってこられないようになっていますが、厳重なロックダウンという感じでもありません。人は自由に歩いて入れます(監視カメラで見られているとは思いますが…)。

オープンさと安心感、過去への敬意とモダンデザイン。いい感じで調和してるなと、けっこう気に入ってしまいました。

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