インバウンドの復活を願って

こちらは阪急大阪梅田駅の空港リムジンバスのりば。交通至便なポイントにあり、コロナ前にはスーツケースをごろごろ転がした外国人日本人旅行客ビジネス客がいつも長い列を作っていましたが…夏休みで、昼過ぎの時間なのに、このありさまです。

バス業界だけでなく、旅行関係に従事している皆さんの苦境が思いやられます。それだけのお客さんが「消えて」しまっているわけですから。

コロナ前数年、「インバウンド・バブル」だとか「オーバー・ツーリズム公害」とか言われる状況もありましたが、これからの日本にとって「旅行」「観光」は、やはり重要な産業です。今「Go Toキャンペーン」をすることは、あまりにも間が悪いと思いますが、それは本質ではありません。グローバル化と情報化がこの世紀の避けられない基本的な変化であるならば、人が行ったり来たりして理解を深めることは、どうしても必要です。そしてこの業界は(家電や自動車産業と同じく)、関係する産業の裾野が、とても広いのです。

日本は人口が減って、高齢化も激しく進んでいく。それもまた「決定している運命」ならば、交流人口もなくなってしまえば、経済はどうやって回っていくのでしょう?

日本は長く「ものづくり」を重要施策としてやってきたので、どうしてもハード重視、ソフト軽視の癖が抜けず、「観光」も水ものだと見下げる傾向があるように思います。特に海外との関係は、政治や為替で容易に変動してしまうので、「できるならば安定した国内市場で稼ぎたい」という傾向が、どうしてもあるようです。(僕がいた広告業界もソフト産業でしたから「知恵にお金を払わない」悲しい思考パターンは骨身にしみてきました。)

そこへコロナ禍。「だから言わんこっちゃない」という内向き論に根拠を与えてしまうことが、とてもこわいです。自分たちの国が、自分たちの町がいい場所ならば、ぜひ多くの人に見てもらいたい。

…とはいっても、今、無理に遠出をすることはやはり慎重にならざるを得ませんね。対症治療しかできない病気は、やはりこわいです。今は「科学的にガマンして」、できることをやって「コロナ明け」に備えたいです。

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