万博ロゴマークの愛され方

EXPO2025のロゴマークが発表され、さっそくネットで話題になっています。8月3日から5案が公開され、意見・投票を集めたうえで最終審査を行い、決定発表されました。

左右非対称で、シンボルマークでありながらキャラクターのようでもあり、一番「ファニー」な案が選ばれたことで、ネットでは賛否沸騰、たった一晩で勝手にグッズを試作する人あり、パロディを発表する人あり、えらい「モテよう」というか炎上というか…この「決まり方の変化」に、70年万博のころとは大きく変わった時代を感じました。

70年万博のシンボルマークは、一度決めて発表した案がひっくり返されて、今皆が知っている案になったことが知られています。その過程は…2度の決定と1度のちゃぶ台返しを含めて…一言でいうなら「鶴の一声」でした。権威のある人が、権威のある仲間で、どこかで決めていく。それが当時の決め方でした。

しかし時代は変わりました。今年あるはずだった東京オリパラのエンブレムもまた、一度決めた案がひっくり返ったことは記憶に新しいですが、その決定を動かしたのは「ネット世論」でした。2度の募集とも「公募」で行われました。

クリエイティブなデザインを決めるということは大変難しく、視認性、シンボル性、いかなる使用シーンにも耐えうるかなどは技術的に決まっていく要素ですが、とくにマークのデザインは「なんとでも言える」要素も大きいです。誰でも自分の「好み」で意見が言えてしまう。ネットの時代になって、類似のチェックもカバーする範囲がとてつもなく広がってしまいました。

ではどうやって決めるか?というと、多数決で決めたのでは「とがった」案は残らなくなります。今回の選定も意見募集は行われましたが、自動的にそれで決めるとは言っていません。そのような中での決定には「胆力」が必要になります。言い替えれば、「覚悟」です。

私は、意欲的な「いい案」に決まったと思います。太陽の塔もそうですが、いいクリエイティブは、初見で違和感を感じるぐらいでないと、鮮度が長くもちません。マークは「長く」「繰り返し」「多方面で」使われるものですから、1回で消えるクリエイティブとは違って「耐久性」がなくてはいけません。

ネット以前のコミュニケーションでは、権威が「はいこれ」と差し出すもので、皆は満足していました。しかし今は誰もが意見を簡単に表明できる中で、人をまとめられるのは「ツッコまれ力」のあるものだ…ということを言った人がいます。たった一晩で、あちこちでツッコまれている今回のマーク、もうこのあたりから万博は始まっているのかもしれません。大阪らしいし、キャラクター性を感じる点は同時に日本らしい。頼もしいです!

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  1. 2020年 8月 27日

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