静かに町は変わる-4(戸建の変化)
- 2020/9/11
- 藤白台
- 戸建, 高齢社会
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(写真は本文と直接関係はありません。)長い間…それこそ親の代からおつきあいがあったご近所の方のご自宅が、いつのまにか更地になって売りに出されているのを見るのは、さびしいものです。
戸建でも集合住宅でも、まちびらきから半世紀を経て初代住民の方が高齢化していくのは、当然のことです。ただ集合住宅よりは戸建のほうが「トシを取ると自力で維持が難しい」という問題が顕在化しやすく、引っ越していかれるケースが目立つように思われます。夫婦が独居になったら…介護が必要になったら…子供も遠くに住んでいたら…そのような「想定」は決して「おおげさな悲観」ではありません。ただの現実です。施設に入る費用を出すために、自宅を売らなくては…という話も聞きます。家を離れた子世帯からすれば、親が長生きしても家計が回るように「思い切って、軽量化しないと!」と勧めるのも、現実的な判断でしょうね。
集合住宅ならば「住民の入れ替わり」はあまり目立ちませんが、戸建の場合、多くは持ち主が変わると更地にして建て替えられます。昨今は台風などもきつくなっているので、被害に遭って転居に判断が傾くこともあるようです。
1973年、朝日新聞の企画で「住宅すごろく」という言葉が流行り、郊外の庭付き芝付き一戸建は「あがり」とされた時期がありました。ところが今や現実は、戸建のほうが「あがり」の座を保つことが難しくなってきています。
千里は非常に幸いなことに人気が高いので、売れずに空地がどんどん増えていく…ということは、今のところありません。敷地分割も進んでいますが、それでも「売れる」のは、全国規模で見れば相当優秀でしょう。新しい人が入ってくれば、町は続いていきます。
と同時に、ここから「いなくなった方」が、どこかでお元気でおられることを願うばかりです。高度経済成長期は「家は立派にすること」が進化でしたが、今では戸建のメンテを軽くする方法も、強く求められているのではと考えます。
コメント
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御無沙汰しております。
泉北でも我が家の裏と隣が売りにでそうで、ニコイチが建つ可能性があって、
家と家が近くなるのを心配しています。
千里の場合、吹田市は戸建の最小敷地面積は200平米、外壁後退は境界線から1m。豊中市は戸建の最小敷地面積は230平米、外壁後退は境界線から1.5mという「指針」がありますが、強制力はありません。地区によっては、より厳しい協定や地区計画を定めている所もありますが、厳しくし過ぎると(千里は地価が高いので)若い世帯が入ってこれない…かえって地域が行き詰まるという意見もあります。吹田市側では、現実には戸建の15%ぐらいは敷地分割が進んでいます。個人的には、分割を許容しつつ、デザイン基準や緑被率などで環境を保つという考え方が必要ではと思っています。
泉北では半分以上がニコイチ、130平米ぐらいの区画もどんどん登場しています。