「千里モニュメント作品目録」(1970)の紹介を続けます。『日と風と雨に』をめくると次は…『あほんだら獅子』。この作品は前にもご紹介しました。千里中央公園に現存。大和銀行(現・りそな銀行)の寄贈です。
この時に設置されたモニュメントの中では唯一、石彫で、重さは130トン!北木(きたぎ)石・庵治石(あじいし)・徳山石だそうです。いずれも銘石で、大阪城の石垣にも使われたりしています。瀬戸内海から運び上げたと書かれています。
作品の心は、大阪から鬼門にあたる千里に、厄除け鬼門払いの意味を込めたとのこと。造形の中ほどに「ずれ」を作り、夫婦にもひとり者にも見えるように仕掛けた。これも大阪城の石垣の古事にならったと、流さんによる説明があります。
「すべてが難しくなり殺気に血迷う当世の人々に笑いと明るさを与える」。
…1970年においてすらそうならば、2021年にはなおのこと!ですね。
この『あほんだら獅子』、千里中央公園で南西方面に眺望が開けた高台の頂に設置されたのですが、手前の真下に1990年、豊中市立千里体育館が建設されたため裏山のような位置関係になってしまいました。まるで体育館の後頭部に乗ったチョンマゲのようです。
体育館には多くの人が訪れ、タクシーで大阪市内から帰ってくると「体育館のところで出てください」と目印にも使われるのでタクシーの運転手さんもよくご存じだと思いますが、『あほんだら獅子』は下から見ると隠れてしまい、知る人ぞ知る…という感じになってしまっています。
ぜひ一度、探して行ってみてください。変わらぬ重量感×どこかユーモラス。3つの材料を使っているというし、パーツはどこかで分かれているとは思うのですが、いや~、これを運び上げるのは大変だっただろうな~(つづく)
コメント
-
2021年 1月 25日
-
2021年 1月 27日トラックバック:千里モニュメント…4.”集”(植木茂) | アラウンド・藤白台
-
2021年 2月 23日トラックバック:悲しい続報(あほんだら獅子) | アラウンド・藤白台
初めまして。数年前縁があって、以来上山田で暮らしています。北千里高校に通っていたこともあり(もう○十年も前ですが・笑)千里NTに愛着がありブログも楽しみに拝見しています。
在宅ワークの合間に運動不足解消にあちこち散歩で歩き回っています。先日「あほんだら獅子」を見に行こうと出かけましたら、規制線が張られていて近づくことができませんでした。火気を使った悪質な悪戯があったみたいですね、残念なことです。
はじめてのコメント、ありがとうございます。このような状況での運動不足も解消していただけるかと「屋外アート」をご紹介していますが、そうですか…残念ですね。あそこはヒトケがない空間になってしまっていますからね。僕は低木の植栽も(見通しが悪くなりすぎているので)あんなに必要ないと思うのですが、植えた時には「緑を増やす」ことばかり考えてしまったのだと思います。上山田からだと小野原の春日神社、千里緑地、北公園をからめてもいろいろコースが作れそうですね。