ニュータウン本執筆のため、日本のニュータウンのリストを作り直し。300ha以上の「大規模ニュータウン」は1991年の建設省リストにある39ヵ所全部行ったことになっていたのですが、いったん制覇した!と思った2010年のあとでなんと国交省が20年ぶり以上に調査をやり直し、リストを更新!前回調査のあと造られたりして加わった場所で行っていない所がたくさん出てきてしまいました。小さくても面白いニュータウンもありますし。
2010年の国交省調査によれば、日本には大小あわせて2000以上のニュータウンがあり、この中からピックアップ+調査に漏れているが興味のあるニュータウンを加えて154ニュータウンを独自リスト化。このうちちゃんと行ったことがある(意識して歩き回って、写真を撮って、機会があれば地元の人から話を聴く)のが90ニュータウン。行っていないのが64ニュータウン(大規模19、それ以外45)。北は釧路から南は宮崎まで。64もあると、1日3ヵ所つぎつぎ回っても20日以上かかる計算。あまりたくさんまとめて行くと印象が混ざってしまう危険性もあり、過度の連続服用は避けなくてはなりません。
さて…どうしたものか…。町を見るのに一度で全部わかるなどありえないし、行った日が雨でろくな写真が撮れなかったり、一度行ってもまた行きたい場所もあります。町は生きているので、震災や更新などで様子が変わっているニュータウンも。
全部本に入れることもできないのですが、実際に行ってみないと本当に面白いかどうかわからないし…。大規模19を優先させたとしても、それは散らばっていて、遠くまで行ったら付近の小さいところもまとめて見たくなります。行くのが目的ではなく、原稿にまとめなくては!
ニュータウンってそもそも、日本では法的な定義はないのです。平凡な住宅地を「ニュータウン」と名づけて売り出した町もあるし、つくばや学研都市のようにニュータウンと名乗っていないニュータウンもある。いわゆる「団地」ともかぶっているし、半分別荘地のように使われているニュータウンもあり、境界はあいまい…。
しかし乗りかかった酔狂、ニュータウン育ちとしては、これをなんとか自分で歩いてまとめたい。「町をつくる」ことにはものすごいエネルギーが必要です。造って終わり、でもありません。開発者も住民も行政も、大勢が半世紀間これだけエネルギーを注ぎ続けたものを、「もう古くなったからおわり」で片づけていいはずがありません。それは現代生活そのものなのです。(写真は多摩ニュータウン)
この投稿は2014年4月20日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。
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