多摩ニュータウンにあるパルテノン多摩の学芸員さんから「千里の建替事例の定点観測写真はありませんか?」という問い合わせがあり、2006年秋と2011年秋に撮った写真に最新の写真を加えてお送りしました。
北千里駅のホームから見た藤白台の公社棟(OPH北千里駅前)と、その奥の分譲マンション(プレミスト北千里クラッシィ)です。
2006年、秋の空を撮るために空を広く入れて撮ったのが、2011年にはちょうど公社の新棟がドーンと入ってきました。それからさらに9年半が経過し、奥の斜面の上、右側、左側も建替が完了しています。
3枚を比較すると「ヌケ感」(view、vista)が失われてきたことは認めざるを得ませんが、その代わり、藤白台は若い住民と活気を手に入れたことになります。それは日本中で人口が減りつつある時代に、代えがたいものです。
50年前は5階建の団地で若い家族もたくさんいたじゃないか…と思われるかもしれませんが、当時に比べ、世帯あたりの人数が大きく減ったことと、一人あたりの居住面積が大きくなったことによって、建物を大きくしないと、同じ人数は入らなくなったのです。これはニュータウンだけでなく、日本中で起きた「暮らし方の変化」です。
ただしこういった建替が成り立つのは、千里の人気と、「始発駅の駅前である」という条件があってこそです。どこでも成り立つわけではありません。
パルテノン多摩の定点撮影プロジェクトは、2007年以来取り組まれ、大変充実したものです(WEBはちょっと新旧が比較しにくいですが…)。千里でも今一度、定点撮影、追いかけてみようかな。
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