町を学び、教えること
- 2023/4/1
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- まちの記憶
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2022年度が終わり、2023年度が始まりました!2022年度は「怒涛の1年」でありました…。大学院生として大阪市立大学で修士論文を書きながら、同時に関西大学総合情報学部で「地域メディア論」を教えるミッションをいただき、かつ千里ニュータウンのまちびらき60年も重なったからです。60年関連だけでも、千里ニュータウン17ヵ所での巡回写真展、「ニュータウンの日」、千里まつり…と複数の企画が同時に走っていました。体力まかせで何とか乗り切るほど、もう若くないのよ~(もともと体力のなさには定評があるし)。
60周年は自分の都合でずらせないし、有難くいただいた仕事には責任があるし、じゃあ自主企画である修論を次年度に送るか?…というほど一時期は精神的に詰んでいましたが、多くの方から励ましや具体的な指導をいただいて、修論は無事提出。「都市経営」の修士号の学位をいただくことができました。
修士論文のタイトルは「ニュータウン・集合的記憶の継承へのトライアルー「新しい町」はどのように「続く町」になりうるのかー」と言います。ニュータウンという「元から全員が寄せ集め」の町で、歳月を超えて、「共通の記憶」がどのように作用して町が継承され、まとまりを作っていくのか…という論考です。ニュータウンが古くなった時、ただ建物だけを新しくすれば町が続いていくようになる…というものではないですよね?それは千里のように建替更新が活発なニュータウンでも、他の多くのニュータウンのように人口減が避けられないと見込まれている町でも、共通のテーマです。
ニュータウンには60年近く住んできて、国内外200ヵ所のニュータウン(的な町)を訪問してきて、「よく知った住民」としてはこんな酔狂は他にいないだろう…と自認はしていたものの、いざ論文を書くとなると、自分が「どぶ漬かり」していて、いわば「愛に溺れている状態」では、それを対象化して冷静に書けるか?というと、きつかったっす。二度漬け禁止。
住民はいわば、地域の「オールジャンル・総合商社」の体験者です。しかし研究対象にしようとすると、アプローチを決めなくては、書けない。「全部入り」はダメなのです。自分のやりたいことは、いったい「何学」なのか?この点では大変惑いました。町での活動はいろいろやっていて、広告会社では「書く」ことが仕事で、ブログも17年間書いてきたとは言っても、論文など学部(国文学専攻)の卒論以外書いたことはなかったからです。一度もです。結局、都市計画でもないし行政学とも違うし…とブレにブレた末、「都市の記憶の継承」というテーマなら、どうにか自分の関心やバックグラウンドと折り合えるかなとアプローチを定めました。ジャンルとしては「歴史社会学」に位置づけられます。
(長くなりそうなので、いったん、切ります!つづく)
コメント
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おっくん
教え教えられ、すごい頑張ってんねんな。
またお会いしましょう
近くにいるのに、すっかりご無沙汰してしまって。また覗きますね!