「北摂」に埋没するニュータウン?

千里ニュータウンの北と南で、開発工事が進んでいます。どちらも計画自体は半世紀前からあって、やっと今頃変化があらわになってきました。「北」のほうは、皆様ご存じ、北大阪急行の箕面萱野延伸(3月23日)による周辺開発。途中の箕面船場は「再開発」と呼んだほうが妥当でしょう。

「南」のほうは、阪急千里線の南千里・千里山間で進んでいる「佐井寺西土地区画整理事業」。こちらは東から進んできた幹線道路建設がいよいよ阪急の下をくぐって桃山台の南に抜ける工事がたけなわです。最終的にはJR岸辺駅から新御堂筋まで東西に貫く幹線道路が出来上がります。

「北摂」は大変人気が高いのです。日本全体では人口減少が加速し、大阪全体の勢いも決して良いとは言えない中、いわゆる「北摂」(大阪府域)は…とくに吹田市・豊中市・箕面市は、スキマを埋めるように開発・再開発が進みます。千里ニュータウンはそのコアにあり、ニュータウンと70年万博によるインフラ整備が、今も発展に寄与しています。

しかし…竹藪を切り開いて造ったニュータウン育ちがこれを言うのは「大きな矛盾」であることは百も承知なのですが…胸中は複雑です。ニュータウンの求心力が拡散していっているような気分になってしまいます。田園都市を遠いルーツに持ち、みどり豊かな生活環境を誇りにしてきたニュータウンが、「田園」を忘れて「都市」に傾き過ぎてしまわないか?いやいや、工事中の荒っぽい姿は一時的なもので、やがて落ち着いた「新しい町」が現れるに違いない…。それにしても町がどんどん「カサ増し」になっていくような気分になるのはどうしたものか…?いやいや、人口減で悩む地域のほうが多い今、これは有難いことではないのか…?

「都市開発はポリシーを持たなければ『バナナのたたき売り』になる」。かつて大阪府に奉職して千里ニュータウンの開発に関わられたKさんは、そう言っていました。どこまでなら良くて、どこからが「やり過ぎ」なのか?千里ニュータウンの南北で進む開発が、「良き町」につながることを願ってやみません。

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  1. 2024年 7月 16日

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