何がオリジナル?

もう一回だけ東京見物におつきあいください。
ここは東京駅丸の内口。おなじみの赤レンガ駅舎と最新高層ビルの対比です。この駅舎、1914年…ということは今からなんと93年前に完成し、1945年5月25日の空襲で上階部を焼失。元は3階建ての丸屋根ドームつきだったのを1947年に角屋根2階建てで「応急修理」したまま早や60年…。
というウヨキョクセツを経て、ついこの5月30日、戦前の「オリジナル」の丸屋根3階建てに復原する起工式が行われました。千里ニュータウンの建築には、こういう「クラシック」なものがないので、「もともとの」東京駅ってどんなだったか、楽しみです。なにしろ戦後生まれなものですから、この角屋根2階建ての姿しか僕は当然知りません。
…でもよく考えると、この「角屋根2階建て」になってから60年、完成時の「丸屋根3階建て」だった期間が31年…すでに、応急修理とされた「角屋根2階建て」の姿だった歳月のほうが約2倍も長いわけです。戦後生まれが全人口の約7割となった今、皆が知っている「東京駅」と言えばむしろこの姿…どっちが「オリジナル」と言っていいのか、少しわからなくなるところがありますね。
町というのは生き物で、たえず変わっていく以上、どの姿も「途中経過」である…と考えたほうがわかりやすいかもしれません。まちびらき43年目の藤白台、50年、60年、70年…どんなふうに変わっていくんでしょう?
さて、次回のブログからは千里に戻りましょう!

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