人はそれを画一的だと言うけれど(成田ニュータウン)

こちらは成田ニュータウンの中心近く、橋賀台(はしかだい)の…UR住宅のようです。
緑の中に行儀よく並んだ…それは千里でも高蔵寺でも多摩でも北広島でも、郊外のニュータウンならどこでも見るような光景。ニュータウン育ちにとっては、初めて来てもデジャブ感満点!建物のディテールやカラーリングに、千里よりは少しだけ若い時期の建設だという個性は感じますが…。
高度成長期の人口増加・都市集中に対応するための大量住宅供給を主目的として数多く建設されたニュータウンは、まさに住のマスプロダクトと言えるでしょう。規格化、合理化することで、「量」と「質」の両立を少しでも高いレベルで図った設計は、「違う町に引っ越しても家具がピッタリ同じ場所にハマッた」といった物語を生みました。
1960年代には、ただその先進性、斬新さに驚いていた人々も、1970年代に入ると、しだいにその画一性を指摘する空気が強くなってきます。「量」の供給が一段落して、時代はより強く「個性化」に向かい始めます。
…しかしそれから30年以上たって今思うことは、その規格性によってこそ、私たちは違う町に行ってもなつかしさ、共感を感じられるのです。そして誰もが区別なく中流で「同じような暮らしを新しくスタートできる」という発想は、ただ郷愁の中だけに閉じ込めてはいけない気がします。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る