駐車場不足(上海・浦江鎮)

おやおや、団地の中の駐車場でもなんでもない路上にけっこういいクルマがずらり…千里の団地でも15年ぐらい前まではよく見た「ロチュー」ってやつです。この団地では実は「地下車庫」と書いたガレージの入口があったのですが、それだけじゃ足りないみたいです…。
経済発展がものすごくて高架道路がびゅんびゅんの上海ですが、ガイドの人に聞いたところでは、クルマはまだまだ庶民には高いものだそうです。同じクラスのクルマでも日本で買うより高いし、日本の「軽」のようなクラスのクルマがないんだとか…たしかにこの写真にもそういうクルマは写っていません(庶民的な団地なのに…)。
ところがそういう高そうなクルマを路上にずらりと停めている。たぶんどんどん増えちゃって、最初からあるガレージだけじゃ入らないのでしょう。
千里ニュータウンでもある時期、団地の駐車場不足は深刻な問題で、緑地を削って駐車場にした所がたくさんあります。一番ひどかったのは1980年代ぐらいだったでしょうか。当初の予測を超えてクルマが普及したからです。生活が豊かになったのと比べて、クルマ自体も安くなりました。(駐車場を増やした今は、皮肉なことに高齢化が進んで駐車場は余り始めているようです。)
こういう景色を見ると、上海のニュータウン生活は「日本が通った道」を追いかけているようだし、この勢いでまだクルマが増えたら、もっと道路を整備しないと都市機能はパンクするのではないか?(今だってすでに十分クルマは多いのです。)…しかしある環境関係の方によれば、資源の制約がかかって中国の人全員がカーライフをエンジョイするような未来は不可能だろう、ハイブリッドカーも根本的な解決にはならない…と言っていたのを思い出しました。
「計画」と、現実が豊かになる「ずれ」のスキマにこのような景色は現れるわけですが、未来はどうなっていくのでしょうか?

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