「パルテノン多摩」で4月22日に行われた講演会「ニュータウンのつくられ方」での質疑応答から。
「ニュータウンが世界遺産になったらどう思いますか?」という夢のある質問に、「そうなれば面白いと思うけれど、ニュータウンが生きている町であることを忘れてしまって、理想を固定的にとらえて、完成した時が一番美しいのだから一切変えてはイカンということとセットで世界遺産とかいうんだったら、そんなものにはならなくていい。町は存続してこそ町。建替でなじんだ景色が変わり、空が狭くなるのは悲しいけれど、子供の数が増えるのはやはりうれしい。姿を変えても生き残ったほうがいい」と、するするマジで答えてしまいました。
これは別に建替推進とかいうんじゃなく、個別の最適解は違うと思うんですよね。同じニュータウンの中でも条件は個別に違います。世の中全体の人口減少傾向が強まるほど、弁別は厳しくなります。それに鉄筋コンクリートであっても、形あるもので永遠のものって、ないんですよね。
僕は「ニュータウンらしさ」というのは表層的な形ではなく、「時代と向き合ってチャレンジする」という精神にこそあってほしいと思います。…って、やけにマジになってますが。近所の団地の建替では、自治会で泥を飲まされましたから。
建替再生が経済的に成り立つ千里だからこそ言えることではあるのですが、いろいろなニュータウンを渡り歩いていると、それぞれの置かれた「立ち位置」のようなものが見えてきます。遠くのニュータウンで発言の機会をいただくことは、やはり刺激になります!
この投稿は2018年4月24日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。 写真は中津秀之さんのタイムラインからお借りしました。
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