日本ではニュータウンについて法的な定義はなく、何がニュータウンなのか?はけっこう曖昧だったりするんですが、じゃあ「タワマンが立ち並ぶ武蔵小杉や豊洲はニュータウンなのか?」…という問いに対して、「やっぱり違う」という自分なりの一応の答えを出しました。

というのは、明快な定義はなくても、高度経済成長期以降、「計画的に」「大規模に」「比較的短期間に」造られたのがニュータウンである…というゆるやかな共通理解はあると思っていて、武蔵小杉や豊洲は、この条件のうち「計画的に」という条件を欠いていると考えるからです。個別の物件単位では計画はもちろんありますが、町全体の計画が弱い。工場の跡地に全体量を考えず開発を許しまっている。だから表面的にはきれいでも、学校が足りない、駅のホームがあふれるなど、ひずみが出ている。その全体コントロール計画が、マスタープランということでしょう。

…と書いてきてハッとなるのは、じゃあ既存ニュータウンで再生の全体プランが弱かったら、それは(物理的には新しくなっても)ニュータウンではなくなってしまうのかも…?

ちなみにタワマンの林立で都心居住が進んでいることと、「豊洲現象」「ムサコ現象」とはちょっと別で「あの2ヵ所は特例」という声を聞きました。だいたい豊洲も武蔵小杉も都心じゃないしとのこと。それは、そのとおりだ!

この投稿は2018年4月24日にfacebookに投稿した文章に加筆したものです。

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