「アパート葬式」というアイデア(韓国・太白市)

(2019年11月に訪問した時の記録です。)太白市の団地式炭鉱アパート群。シンポジウムで紹介された取り組みの中で一番ぶっ飛んでるなと思ったのは、「アパート葬式」というイベントでした。

これは亡くなった個人をアパートで偲んだのではなく、団地そのもののお葬式。建替で隣地に移転する区切りで催された「閉村式」のようなものでしょうか。これを「町の葬式」に見立てて、大勢の人が広場に集まり、にぎやかに葬式行列もやって、住民が思い出を語り合い、次の時代への決意を確認する…というパワフルなイベントだったようです。

シンポジウムでは動画を見せていただいたのですが、ネットでは見当たらず…(ハングルなので検索ができない…)日本の葬式とは違って、ずいぶん派手ですね。うしろに続く人たちはヘルメットをかぶって炭鉱労働者の格好をしています。(追記:ハングルができる読者の方が検索してくださいました。こちらです!)

日本の団地建替で「団地の葬式をやった…」という話は聞いたことがありません。「縁起でもない!」と叱られてしまいそうです。だいたい、揉め事でへとへとになっていたりしますから…。

それを楽しんでしまうタフさに、「へー!」と驚くばかりでした。この炭鉱アパート群は、始まる時も、終わりの時も、しっかり区切りをつけてもらって幸せだなと感じました。(つづく

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2020年 5月 12日

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る