のびのびと(沖縄・石垣島)

しつこいようですが美しい石垣島の芝生校庭をあと1回!
こちらはやはり石垣島北部の富野小中学校。緑の芝生校庭の上を、気持ちよさそうに手造りの鯉のぼりがのびのびと泳いでいます。学校の向こうは海…
シンプルに見える校舎も、よく見ると沖縄らしい特徴があります。外廊下方式のコンクリ造りに、L字型校舎のジョイント部分にだけ沖縄風の赤瓦屋根。廊下を囲む塀は風通しのいい花ブロックです。台風が強い沖縄で外廊下で大丈夫なのか、ちょっと心配になりますが…。
石垣島は内地からの移住ブームでこの時代に人口増に悩んでいると昨年も書きましたが、島の北部・東部ではバス便も減り、過疎化が進んでいるようです。昔ならば内地の人間が土地を買うことはかなり難しかったと聞きますが、今や地元の人が土地を手放して市街地に移り住んでしまうため、内地の人が入り込めるようになった…という皮肉な現象があるようです。
昔開拓で入植し、道路から自分たちで造るような苦労を重ねて「この島のものは全部自分たちのものだ」と言えるほど愛着がしみこんだ土地を、外来者に売ってしまう…そこに沖縄の島の複雑さがあります。
開拓の記憶はどのように引き継がれていくのか…とここまで書いて、なんだか千里ニュータウンと似ているなあと。石垣の開拓者の苦労に比べたら初期ニュータウン住民の「苦労」はカワイイものだったような気もしますが、「新しい土地に住む喜びで大変さを克服する」という心の持ちようは共通していたのかもしれないし、そのときから約一世代さがって、新しく来た(開拓時のことを知らない)人に世代交代していくさまも、なんだか似ているような…。
今から数十年たっても、美しい芝生校庭に元気よく鯉のぼりが泳いでいる石垣島であるように、祈りたいと思います。

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