今どき、鉄道が延伸して地域開発に期待が持たれているエリアなど(東京近郊以外で)「全国でも稀」と知りながら、どうも素直に喜べない…自分もニュータウンとともにトシを取ったのだろうか…?とブログの筆も鈍りがちな私ですが、その原因を考えていくと、やはり「千中の再開発がハッキリしない」ことが大きいのだろうということになります。

立地を考えてみれば、箕面萱野は(いくら施設が最新でも)「行き止まり」で、対して千里中央は南北・東西に鉄道と幹線道路が貫いていて、大阪空港も吹田インターも新大阪駅も梅田も10~20分台で到達でき、リニア中央新幹線も北陸新幹線も(いつになるかわからないけれど)「終着は新大阪」と決定しているのです。立地条件というものは変わりませんから、鉄道の2駅延伸も「エリアの拡大」ととらえるべきであって、今さびれて見えるのは、これまで人を集めてきたコア施設が2つ、再開発が止まっていることが大きいです。

セルシーはもともと老朽化が言われていたところへ2018年6月の大阪北部地震でダメージを受け、安全上の観点からも立入禁止になって6年になります。H2Oグループがコアになって、千里阪急(百貨店)、タクシープールも一体化しての再整備構想がアナウンスされていますが、2020年~のコロナ禍で経済状況が厳しくなり「少々お待ちください」という状況です。(プランが撤回されたわけではありません!)

そこへ、商業地区西側の「オトカリテ」(旧ピーコック)が2023年4月で店を閉めて解体され、場所の空白感が増してしまっています。ここはどうなるのだろう?隣接する千里阪急ホテルも2025年度末(2026年3月)での閉館が報道されていますが、これだけの有望なエリアにホテルが将来的になくてもいいとは、とても思えません。

一挙に開発したニュータウンは、同時に老朽化して同時期に更新期を迎える…という「ニュータウン的現象」が、わかりやすく出てしまっているとも言えます。

本来的に優れた場所なので関係者が水面下で鋭意努力しておられることと思いますが、一般利用者・近隣住民としては、地域の声を吸い上げた「希望が持てる」情報発信がされることを心待ちにしています!

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る