ドバイはペルシャ湾に面していますが夏は50℃近くにもなる砂漠の中の人工都市ですから、「水辺へのあこがれ」は都市計画にも大きく影響しているようです。世界最高層ビル「ブルジュ・ハリファ」に隣接した巨大な「ドバイ・モール」は、この大きな人工池に面していて、ここは誰でも入れます。(行ったのがラマダンの最中だったこともあってか?)昼間は閑散としていましたが、見どころは、夜。世界最大の噴水ショー「ドバイ・ファウンテン」が30分毎に異なった音楽に合わせて展開され、黒山の人だかり…。

この噴水に面したレストランにはテラス席もありますが、座ってしまうとスマホを必死にかざしている人の背中しか見えません。もう、ローカルも観光客もごったまぜです。ここは公園?なのか、民間施設なのか…?カフェ1軒作るのにも慎重にやらなくてはならない日本と比べるとなんともダイナミックですが、この空間には誰でも無料で入れることを考えると、大衆エンターテーメント施策としては、実に効率がいいようにも思えます(有料エリアもあります)。

ドバイはスーパーリッチなイメージが強いですが、こうした光景を見ると「貧富の差が激しい」というよりは「全体的にゆとりがある」ような印象を受けます。タクシーの運転手もレストランのスタッフも、普通の人たちがとても礼儀が正しく、明るく働いているように思えました。日本では幻に終わった?トリクル・ダウンがここでは機能しているのでしょうか?数日間の駆け足旅ではほんの一部しか見られていませんから、何とも言えません。住民の83%が外国人で、規律を維持するために厳罰主義をとっているのだという話も聞きました。人口が増えていくアフリカ、南アジアと、先進地域ヨーロッパのハブにあたる場所で、通商国家としての道を歩んでいる方針は「当たっている」ように思えます。

3枚目は、ドバイ最大のショッピング・エリア「ドバイ・モール」。平面図を見るとそんなに複雑じゃないのに、何度行っても迷ってしまいました。少し高級すぎて僕には面白くなかったですが、大衆的なフードコートもありました。中でゾーン分けがされているようですが、紙の地図を配っていないので外来者には把握しにくいのです。カザフスタンでも日本でも、モールってそっくりなんですよね。「新しいまちづくり」が世界を画一化する方向にばかり向かわないといいなと思います。

(2024年3月の訪問記です。)

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