「普通の団地」もあるじゃないか!(ドバイ・ディスカバリーガーデン)

ドバイに住んでいる人たちが、みんなキラキラの非日常空間で暮らしているはずがない…旧市街はもちろんあるけれど、急速に人口が増えたのだから「新しく来た普通の人たちを大量に」受け入れるはずの住宅地があるはずだ…と高架のメトロの窓から外を凝視していたら、ありました!少し郊外、万博の手前、(立地も千里ニュータウンみたいだな)メトロの駅3つ分(レッドラインのThe Gardens ~ Discovery Gardens ~ Al Furjan)にわたって続く中層集合住宅群!

メトロを降りて歩いてみると、何のゲートもなく、どんどん歩いて入っていけます。きれいなクルマ(高級車ではないが手入れはいい)がずらりと造作なく屋外駐車場に停めてあります。行き交うのは学校帰りらしい子どもたち…大人が「見守り」をしています。自転車はヘルメットをかぶってね。

住棟の形は少しファンシーというか「おとぎの国」に来たようなパステル調ですが、「ディスカバリー・ガーデン」の名前にふさわしく、広がった芝生が住棟の際まで続いています。ドバイ風田園都市というところでしょうか。

「外で子どもが遊んでいる」。もうそれだけで、ものすごくほっとします。自家用車が外に並べてあることからも、治安が悪くないことは想像できます。

もちろんドバイのような気候で広い芝生を管理することはすごく贅沢なことのはずだし、ゲーテッドにしていない代わりに監視カメラが治安を保っているのだろうと思います。ですからこれは「演出された中流感」なのかもしれません。

ここだけで1日歩き回ってもいいぐらいの広さでしたが、時間の制約から学校と商業施設を見つけることはできませんでした。駅前にはコーヒースタンドはあるのですが、スーパーのような店がパッとわかる場所にないのです。26,000戸もあるというので、どこかで買物をしているはずですが、数キロ離れた場所の巨大モールに行っている可能性はあります。駅の売店と、巨大モールの間のレイヤーはないのかな?

イスラム圏に必須のモスクは…と探してみると、この団地内に3ヵ所はあるようでしたが、町の真ん中にはない。そのあたりが「現代イスラム圏団地」のバランス感覚なのではと勝手に想像しました。

万博関連の開発かなと思いましたが、調べてみるとこちらのほうが古いようですね。ドバイは横浜市クラスの人口はあるので、コンパクトにまとまっているとは言っても空間は大きく、歩くと遠いし暑いです!もっと知りたいですが時間への宿題としましょう。

(2024年3月の訪問記です。)

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