万博にアリーナできたら運べるのか問題
- 2020/2/4
- 万博
- まちづくり, 交通
- 2 comments
EXPO2025開催が決まって、千里の万博公園もレガシーとしての活用が注目されるわけですが、そこで出てきたのが「アリーナ」建設計画。この写真に見えている中央駐車場や正面のホテル(2月末で閉館)、その左の旧協会本部、この写真に写ってない右側の住宅公園など、約17ヘクタールをごっそり再開発する計画です。
万博エリアがにぎわうことは良いことだと思いますが、地元でさっそく話題になったのは「1万5千人の観客をどうやって運ぶのか?」EXPOCITYやガンバのスタジアムができて、運悪く当たると、すでに外周道路が渋滞で動かない!そこに1万5千人がさらに乗ったら…という心配です。
人を呼ぶために再開発するのなら、「にぎわわなくていい」というわけにはいかないですからね。
メトロの今里筋線を延長する?とか、連接バスの導入は?とか、いろんな下馬評がとびかっていましたが、大量に人を運ぶなら、やはり本筋は今ある「モノレールの活用」、それでどこまでいけるか…?ということだと思います。モノレールは鉄道の一種ですが、通常の鉄道には及ばなないものの、運べる量は圧倒的に自動車より大きいです。路線バスの定員は詰め込んでも70~80人ですが、大阪モノレールの乗車定員は現在4両編成で約500名です。これだけを運転士1名で運べてしまいます。鉄道は人手不足にも強いのです。
大阪モノレールは現在、データイム10分間隔。万博記念公園駅では1日2万4千人乗降しています。ここに1万5千人が往復使うと3万人乗っかって、2倍以上になりますが、3分間隔ぐらいまで詰めれば運べるでしょうか?
いやいや、アリーナのお客さんは一時に集中するので、1万5千人をどれだけの時間内に運べるか、考えてみます。大阪モノレールの乗車定員は500名。これで1万5千人を運ぶためには30列車の増発が必要。いま10分間隔の運行を2分30秒まで詰めると1時間で18列車の増発になりますが、これだと運びきるのに約1時間半かかります。ところで大阪モノレールは6両までの増結は想定しているようなので、すると1列車の輸送力は1.5倍になり750名。20列車の増発で1万5千人運べることになり、1時間ちょっとで運べます。さらに鉄道車両の「定員」とはぎゅうぎゅうに入る限界人数ではなく実際には定員の2倍でも乗れますので、一時的な混雑をガマンすればなんとか運べそうです。クロスシートの車両もちょっとあるので、これもロングシートにすればさらに余裕は作れます。
つまり「運べる」という答えになりますが、むしろモノレールで一番乗降客が多い千里中央駅がパンクするかもしれません。万博記念公園駅は団体対応などのためにコンコースはかなり広く取ってありますが、千里中央駅のホームは今でもかなり混んでいます。現在の島式ホームの外側にホームを新設するとか、島式のまま延長して東行きと西行きを千鳥に停めるといった対応が考えられます。
車両を増やせば車庫も拡張しなくてはなりませんが、大阪モノレールの車庫は、まさに今回の再開発エリアに隣接しているので、あわせて拡張することが計算に入っているかもしれません。
…と空想計算するのも楽しいことです!万博公園は「ハレ」の場ですから、人が少ないのはさびしいです!
コメント
-
2020年 6月 05日トラックバック:大阪モノレール開業30周年! | アラウンド・藤白台
ごぶさたしております。
昨年、若い友人の結婚式でホテル阪急インターナショナルへ行ってきましたが
休みの日の昼前に山田駅から万博記念公園駅までモノレールに乗車しました。
気候も良い日だったので、万博公園へウォーキング?に行く人でいっぱいでした。
ベビーカーを押していたご夫婦が、山田駅で乗れずに次の列車を待たれたぐらい
満員電車に近い状態でした。(ガンバの試合ではありませんでした)
駅の階段なんかも手狭な感じがありますし、6両編成に増結するという話もされていますが
かなり危険な印象です。どうやっていくのが良いのでしょうね…???
うまくさばけるようになるよう、祈っています。
大阪モノレールは今年、開業30周年ですが、最初の頃は接続も不便でガラガラだったのに、その後順調に乗客数を増やしています。千里から都心に向かう線は逆に輸送量は減っているのですが。つまり北摂地域全体で人が巡回する流れに変わってきたということです。「グレーター千里」の形成も見据えてモノレールを造った狙いどおりで、いいことですが、上手くバランスを取りながら発展してほしいですね。