新年早々カザフスタンでは大規模な暴動が起き国際通を驚かせていますが、ライトな万博好きである私は2017年夏、万博が開かれていたカザフスタンに行ったことがあるのでした。

旧ソ連諸国の中で優等生。ロシアの次に広い国土を持ち、石油もウランも豊富に出るので資源は盤石で、ロシア、中国、中東イスラム圏の中核に位置して外交的にもバランスが取れている…(でなければ万博は開けない)、首都アスタナ(その後改名されて今はヌルスルタン)は、なんと黒川紀章先生の描いたマスタープランに従って200万都市が建設中…という「発展のホットスポット」のような国が今どきあるんだー!…と目が覚めるような思いをしたカザフスタンはアスタナ(現ヌルスルタン)訪問でしたが、その大前提になっていたナザルバエフ前大統領による「政治的統制」のフタが外れてしまったような状況になっているようです。

写真は新首都に燦然とたたずむ大統領宮殿。まったくヒトケがないですが、警戒がすごく厳しいとかそんなことはまったくなく、国全体の統制がそもそも厳しいので怪しいことなど起きようもない…という雰囲気でした(たぶん表面的には永田町の警備のほうがずっと厳重でしょう)。これ以上近寄ることもしませんでしたが…。

一般人の皆さんは(ホテルやタクシーでも英語が全く通じないのには弱りましたが)とても親切で、道路を渡ろうとしていると、どのクルマもピタッと止まって、クラクションまで軽く鳴らして(歩行者優先なんだからお渡りなさい)と促してくれるような秩序と礼節を感じました。大阪で道を渡るほうが、間違いなくもっと物騒です。

この国はアジアとヨーロッパの中間にあるため、民族的にもいろんな顔の人がいて、「日本人かな?」と思うような人もたくさんいました。成長にともなう痛みや矛盾はどの国でも経験するものですが、豊かな安定した暮らしを望む気持ちはどこの国でも変わりません。

平和が崩れないことを祈っています。田舎が急に都会になったような、この静かな広場は、今どうなっているのでしょう?遠くの国を身近に感じることができるようになるのも、万博に行くことの価値ですね。

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