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中央公園の展望台は千里の首里城?

集合住宅の更新以外にも変化が進んでいる千里ニュータウンですが、ひとつ、すごーく気になっているのが、これ。千里中央公園の展望台です。この展望台、以前より耐震が弱いことが指摘されていたところに2018年6月の大阪北部地震がヒットし、以来立入が禁止されています(いかにも頭が重そうな形です…)。

この展望台は1966年、建設中の千里ニュータウンを一望できる場所として豊中市と吹田市の境界線キワキワの稜線(豊中市側)に建設されました。4月23日の開設日、最初に上ったのは昭和天皇。千里ではこの前の年、1965年に70年万博の千里丘陵開催が決定し、この展望台は万博会場予定地と建設中のニュータウンがまとめて見られる場所として、視察に合わせて大急ぎで建設されたようです。

以後も多くの来賓や視察者を迎えたほか、ニュータウン住民にも長く親しまれてきました。僕のアルバムにも、友達のアルバムにも、展望台に行った時の写真はありますし、2012年の吹田市立博物館「ニュータウン半世紀展」では、この展望台のダンボール模型も登場しました。豊中市にあるのに吹田市の展示に登場するところが、この展望台が広く千里で親しまれてきたことのあらわれでもありますね。同館の中牧館長は、昭和天皇の視察を「現代の国見である」と評しておられます。

さて、「ま・さ・か」このまま閉鎖撤去しちゃうというほど豊中市の文化度は低くないと思いたいですが、どうなるのでしょう?…たしかに展望台というものは、日々の日常生活に必須のものではありません。それを直すお金があるなら、保育所を増やそうとか学校の更新が先だとか、ツッコミドコロは満載です(勝手な想像です)。

しかし、それを言うなら熊本城や首里城だって、保育所の必要性と比べて論じる人はいないでしょう。人の生活には実用性だけでなく、「魂のシンボル」のようなものが必要です。何もかも大きく更新されていく千里ニュータウンの中で、変わらず同じ場所にあり続けるものも、また必要ではないでしょうか。

ふと気になったので「他のニュータウンにはこのような展望台があるのか?」を私のネットワークで皆さんに聞いてみました。確認できたのは、筑波研究学園都市にはある(僕自身、上ったことがあります)。泉北ニュータウンには、かつてあったが大型施設(ビッグバン)への建替で撤去されたらしい…。他には出てきませんでした。また「天皇陛下が上ったことがあるか?」も検索してみましたが、筑波ではそのような記録は出てきませんでした。つまり千里中央公園の展望台は「天皇の視察歴が確認できる、唯一のニュータウン展望台である」と言える可能性も高いです。

修復しても簡単にバリアフリーにはならないとか、多くの集客が見込める立地ではないとか、いろいろと課題は思いつきます。しかしこれこそ「やる気の問題」ではないのでしょうかねえ…?有人管理にしなくても、ニュータウンの足跡がわかる簡易な展示を設置することも考えられます。

ニュータウンと万博公園を一緒に見ることができるこの展望台は、まさに「高度経済成長期遺産」とも呼べる現代文化財ではないかと思うのですが。

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コメント

    • 山賊総業
    • 2019年 11月 27日

    こんにちは。
    1989年8月から9月にかけてNHK総合の「ドラマ10」枠で、4回に渡ってオンエアされた「鳥の歌」というドラマがあります。
    脚本池端俊策、NHK大阪制作で、千里NTの展望台や山田公済院付近でロケが行われています。

    1回目か2回目だったと思いますが、児玉清演じる開発公団幹部の自宅が展望台近くの古江台にあるという設定で、自宅に街宣車で押しかけて拉致する右翼団体の男に大地泰雄、街宣車を運転する元愛人役の女に桃井かおり、桃井が行為をよせるラジコンヘリを飛ばす青年に堤真一などが登場します。
    ほかにミスターオクレ、田中美奈子も出演しています。

    テレビのシーンにはありませんが、おそらくロケの折に若き日の桃井かおりも展望台に上っているはずです。桃井かおり縁の地、指紋のついた展望台を保存しましょう(笑)

    • 奥居武
    • 2019年 12月 07日

    山賊総業さん、ありがとうございます。展望台のシーンではないですが、こちらのURLでクリップが見られますね。堤真一が若い!
    https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009040260_00000

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