多くの友人が、この記事(1月7日のトヨタ自動車の発表)をfacebook上でシェアしています。「最新形のニュータウン」と言える試み。この20年ぐらい続いた「エコタウン」(町全体で環境負荷を抑えるまちづくりの試み…たとえばこちら)の次に、情報ネットワークを編み込んだ移動性の確保による住まいの持続可能性に、企業が踏み出したと感じるニュースです。(中国ではどうなっているのだろう…?)

70haと言えば千里の住区(≒小学校区)1つ分に近い広さで、当初2,000人という人口はかなり「抑えめ」。立地する裾野市の人口密度は、吹田市の約1/30だから市街地が連坦している大都市圏でもありません。

ニュータウンオタクとしてはおおいに期待したいですが、過去の例からしても「一つの企業グループ、一つの産業」に大きく依存したまちづくりは、ニュータウンだけでなく、デトロイトや釜石、多くの炭鉱都市など、 コアがコケると全ゴケすることになり、 どこまでタフにやっていけるかが、気になります。地域の全システムを企業が背負うのは、リスキーな面もあります。どこまで企業グループの枠を超えて裾野を広げていけるかが、長期的な成否のキーになるんじゃないかなー。

あと富士山が爆発しないことは大前提なのでしょうか?(近くの沼津には親戚がいるから、気になる…)東海地震が発災した場合には、津波の心配がある沿岸部に対するバックアップ機能を持ちうるかもしれないけど。

時間軸が長い、夢のある話なので、リスクに対する想像も長い時間軸に及んでしまいます。 2021年初頭に着工とのことですが、「将来的に」の「将来」は、どれぐらいのスパンを想定しているのでしょうか…?

CESは世界的な家電業界の展示会として知られてきましたが、そこでトヨタが、まちづくりに関する情報を発表して話題になるというクロスオーバーぶりが、2020年代の幕開けにふさわしい一報でした。

(画像は、元記事のページからお借りしています。)

こちらにも詳細なレポートがあります。)

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る