新村と古鎮(上海郊外・七宝)

前回の位置から川ぞいに次の橋まで進んでふりかえったアングル。白い団地と赤い船着き場が対照的です。ここは倉敷みたいというか鎌倉みたいというか古い町並みを残したプチ観光地なので(写真と反対の方角がそうなってるんです)、つながれている船は生活の足というよりは観光向けの遊覧船。雨だから誰も乗ってないけど…
いっぽう、白い団地のほうはGoogle Mapなどで見ると「白波新村」と書いてあり、ニュータウンと言っていいようです。上海周辺には「新城」「新鎮」「新村」とついた町がいくつもあり、これらが計画都市のニュータウンに相当するようです。大きさによって「城>鎮>村」という大小関係になっていると聞きました。写っているのは日本でもよくある「5階建て・階段室型・エレベーターなし」というタイプですが、屋根のデザインなどは中国風です。都心のぴかぴかマンションでは中国風でもなんでもないモダン建築が主流ですが、ここはなんとなく伝統を意識しているのは古鎮の隣だからでしょうか…?それともこの団地がすでに少し古いからかな?
観光用の古い町並みはなくなることはないと思いますが、すぐ周辺では再開発が進んでいるようです。万博関連の都市改造ですぐ近くに地下鉄の駅ができ、都心まで30分足らず…となれば、「ふつうの」古い家並みは消えていく運命にあるのでしょう。そんな中でこの団地と観光船着き場の対比は、都市の変化を示すギャップ遺産としてまだ残っていきそうです。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (0)

  1. この記事へのコメントはありません。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る