【蔵出し】公社藤白台・春の大掃除(1972年)

永井俊雄さんの貴重なコレクションからお届けする【蔵出し】シリーズ第3弾!さてさて、藤白台にとって大切な憩いの空間になっている「ふれあいの道」、整備前はこんなんでした…という歴史的な写真です。
「ふれあいの道」はただいま建替工事のために閉鎖されていますが、この写真の左下の二股部分から閉鎖直前に撮ったのがこれ。今の「ふれあいの道」は、このふみわけ道を忠実になぞってほぼ同じルートで整備したことがわかりますね。メインに見えているのがA8棟。
このA8棟前の空間は整備後もバレーコートになったり駐車場になったり上の遊具をおろしてきて遊園になったり用途が二転三転しているのですが、とにかく元は、クズボーボー、草ボーボーだったというわけです。通路もふみわけ道みたいなものしかありません。このふみわけ道も、駅まではきちんとつながっていませんでした。これは「ふれあいの道」というより「ふみわけの道」というべきか…?自治会員の皆さんが、刈った草を盛大に燃やしております。
団地の真ん中にこんな雑駁な空間があったというのは、今しか知らない人には「へぇ~?」という感じだろうと思いますが、僕にはとてもなつかしい感じがします。想像力をかきたてられるというか。万博が終わって、万博公園に整備される前の「跡地」だったところも、似た風情がありました。まだ何にもなっていない、でもこれからどうにかなりそうな、「余白」の空間。
そうです、計画都市であるニュータウンには「余白」の空間が必要なんです、きっと…。それは当時中学一年生で未来がわからない雑草ボーボーみたいな青春前期だった自分の投影かもわかりません。

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コメント

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  • コメント (2)

    • tora
    • 2012年 3月 08日

    これまた、涙が出るくらい懐かしい写真です。
    小学生の頃にタイムスリップしたみたい。
    うちは23棟だったので、よくこの裏山?で遊んだ記憶があります。
    ほんと、懐かしい。

    • 奥居武
    • 2012年 3月 09日

    toraさんもこの斜面で遊んだ口ですか…ほんと、とっておきの場所でしたね。まだまだ出ますよ。お楽しみに!

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