限られた戸建街(カザフスタン・アスタナ)

旧社会主義国の住宅政策は「労働者に等しく、贅沢でも劣悪でもない住宅を大量に供給する」ことにありますから、その内容は大半が集合住宅になり、戸建街はある種特権的な、非常に限られた存在になります。しかしそういった一画が、ないわけではありません。柵に囲まれていて、入口にゲートがあって、私のように怪しい外国人は中に入ることができません。

アスタナはもともと人口20万だった場所を200万まで増やそうとしている途中なので、都心に近い場所では戸建街を除去して集合住宅に置き換える動きもあると聞きました。

この一角がそれに該当するかどうかはわかりませんが、あんまり新しくも見えないですね。そして(特権的な存在のはずのわりには)個性も感じられず、(けっこうな豪邸ですが)規格型な感じもします。

ソ連が崩壊してから四半世紀以上がたつわけですが、社会主義が支えてきた「理想の住宅像」というものは、そう急には変わらないでしょう。しかし歳月は流れていきます。

もし将来、またアスタナを訪ねることがあったら、ここはどうなっているでしょうか?(今ならgoogle mapで調べることもできますね。)

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