(2019年8月に訪問した時の記録です。)ハワイ・オアフ島のカポレイ地区は、ホノルルから官庁街機能だけを外出ししたような開発が行われていますが、オフィスエリアから少し離れて、住宅エリアも造られています。働く場所を造れば、住む場所も必要ですからね。

これは日本で言うと、住宅需要をまず考えて造った「ベッドタウン型」の千里や多摩と異なり、筑波や幕張、あるいは地方都市のニュータウンのように、働く場所をまず考えて、それに住宅が付随する…というタイプの開発に似ています。「カポレイ・ビレッジ」。南北3キロ、東西2キロ半ぐらい。オフィスエリアはこの北西にあたり、この計画図には含まれていません。

雲形の街路にクルドサック(行き止まり)のオンパレード!萌えるわ~。開発初期の千里の計画図を見ているようです。中心に、コミュニティの管理機能と公民館を兼ねたような「レクリエーション・センター」があり(この計画図もそこで見せてもらいました)、ほぼ戸建またはタウンハウスのような住宅形態です。

この中に、小学校、中学校、高校、高齢者住宅、教会があり、右上にはゴルフ場も抱き込んでいます。ゴルフ場とセットになったニュータウンは日本でも地方では見かけますが、アメリカ人はやっぱりゴルフが好きなんですね。

商業施設は…ありません!この中には。オフィスエリアの向こうにコストコとホームデポがあるからクルマでそこへ行け!という割り切りですね。歩いて行くのは大変です。クルマで生活することが大前提のスケールで町ができています。

ホノルルにつながる予定の高速鉄道の駅はこの東のはずれにあり、謎の立地です…。ここに住んでいる人たちは、実際にはホノルルへ通勤している人も多いようですが、鉄道もなかなかできないし、いずれにしてもクルマで動いているようですね。交通手段に関する感覚というのは、そう簡単には変わらないようです。

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