千里モニュメント…6.〔修景:新御堂筋南入口周辺〕(荒木芳邦)

千里モニュメント作品目録」(1970)、『風の道』をめくって最後の作品紹介は…野外彫刻ではありません。造園修景…今でいうランドスケープデザインでしょうか…千里を訪れる多くの人が目にしているはずの人工植栽が「6番目」ということになっています。設置は大阪府企業局。設計者の荒木芳邦さんを検索したら、wikipediaに項目が立っていました。万博の日本庭園など、多くの場所を手がけておられます。

この場所は…新御堂筋で大阪市内から来て千里ニュータウンに入る玄関口。砂子谷と桃山台駅の間、東側の斜面のことのようです。造成当時の写真を見るとたしかに人工的な切通しを造り、その斜面に植栽をしたようです。新御堂筋の本線は自動車専用道ですから、この目録と同じ位置で今写真を撮ることは不可能ですが…googleストリートビューで近況を参照すると、隔世の感があります。

googleストリートビューより

「制作のことば」から抜粋します。

もみじ類を主体とした落葉樹林を植付け、法面に強い小松及びヘデラを一面に配して補強する。この木々の間に四季の花を競う灌木を立体的流動模様に配してもみじ山の景観を図る。丘陵一帯には、現存する松林・竹林を背景に特有な林相を呈する。もみ、つが、ひのきの針葉樹と落葉樹のもみじ類をこれに加えて緑の自然的景観を構成し桃山台一帯より春日池周辺に及ぶ地域を針葉樹林にて覆い池面の低地帯には水に映える落葉針葉樹のぬますぎ(らくうしょう)の群植としてユニークなイメージを与え丘陵の濃緑と水面の淡緑のコントラストを加えて美しい灌木が四季の装いを与えるであろう。

「千里モニュメント作品目録」(1970)

今、竹林にしか見えないのは観察が足りないのかな?千里の竹の浸透力が予想を上回っていたのでしょうか?ヘデラはアイビーのようですね。荒木さんは「さながら団地の故郷の森となる様、今後の管理に充分意を尽されん事を願いたい。」とも釘を刺しておられます。

…ともあれ、モニュメントの6作目がランドスケープというのは、意図としては洒落ています。千里ニュータウンの入居開始(1962年)から新御堂筋の開通(1970年)までの間は、ニュータウンへのメインアプローチは、七尾から佐竹台に入ってくるルート(千里一号線=現在の千里ぎんなん通り)でした。1966年に昭和天皇が来られた際もそのルートで入って、また帰っておられます。それが新御堂筋が開通して、こちらがメインに変わったのです。もう一度この周辺を歩いてみなくては。

ところでこの目録の写真、左隅にチラリと、千里ニュータウンの入口を示す標柱(現在は消滅)が写っています!(つづく

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コメント

    • 中村調子ノリ
    • 2021年 2月 07日

    こんにちは

    この場所は 藤白台から少し離れていますが

    この場所 右手の竹やぶ?のところに
    我々が小学生のころ フィールドアスレチックがあったように思います

    こども会(たぶん藤栄こども会)のイベントで来た記憶があります
    まだ上級生がいたような記憶がありますので 1978年か1979年のような気がします
    ネットで探してみたのですが 関連の情報は見つかりませんでした

    フィールドアスレチックって 価値が見直されたのか 最近よくありますね
    メンテナンスが大変そう!

      • 奥居武
      • 2021年 2月 07日

      フィールドアスレチックは、70年代後半から80年代にかけて、流行りましたね。この地点はニュータウンの中と外の境界線上ですから、地主さんがギリギリ外側でなさったのかもしれません。大阪府がそういうことをやったということは、存じていません。最近流行りなのは「プレイパーク」と言っていると思いますが、近年は腕白ぶりを自然に発揮する場がなく、訴訟を恐れてどこも厳重にリスク管理するようになり、「この中では思い切りやっていいですよ…」という場所を特に作らなくてはいけない…という事情が後押ししているようです。昔は北公園も藤白公園も天然のフィールドアスレチックのようなものだったと思いますが…。

        • 中村調子ノリ
        • 2021年 2月 14日

        北公園も藤白公園も天然のフィールドアスレチックのようなものだった!!

        賛同します!!(笑)ふじのき公園だって!!

  1. 2021年 2月 09日

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