教会はあります。(多数)(イギリス・レッチワース田園都市)

(2013年8月に訪問した時の記録です。)大阪府が開発した千里ニュータウンでは、公がやる事業として政教分離の原則があったため、宗教施設は一切計画的には立地させなかった…というのはよく言われる話ですが(一部ささやかな例外はあります)、では、レッチワース田園都市ではどうでしょうか?

…答えは、あります。しかも多数。Google Mapで「letchworth church」と入れて検索すると、それこそ集会所のごとくあちこちに教会のピンが立ちます。 レッチワース田園都市はそもそも民間事業ですから 政教分離を気にすることはないし、イギリスで「コミュニティ」を考えるときに「教会を抜きにする」ということは、そもそも考えにくい前提なのでしょう。

イギリスでは、戦後、政府によって開発された「ニュータウン」でも町の中心に複数の宗派の教会が計画的に配置されましたが、ここレッチワース田園都市では、教会の分布はランダムです。ほんとうに、自治会の集会所のように町にとけこんでいる感じですが、そのように機能している面も大きいのでしょう。ただしキリスト教と言っても宗派はたくさんあるので、「ある区画はある宗派の教会が取り仕切っている」という専有性はなく、入り乱れていろいろやっているということだと思います。

では、イギリスでは政府が造った「ニュータウン」でも教会を立地させているのに、大阪府が造った千里ニュータウンでは、なぜ頑なに「政教分離」にこだわったのか?あんまり山奥すぎて、来てくれるお寺や神社がなかったのかな?そこまで余裕がなかったのかな?「宗教」というものの優先度を高く見なかったのでしょうか?よその町を見ていると、自分の町の謎がどんどん浮かび上がってきます。(つづく)

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