立派な公園(イギリス・ウェリン田園都市)

(2013年8月に訪問した時の記録です。)ウェリン田園都市ではレッチワースと同じように、町のシンボルとなるパークウェイ(大通り公園のようなもの)の中心軸が設定されていますが、その規模はさらに大きく、壮麗と言っていい景観が演出されています。目が止まる場所に高木を配しているのも、街区を立体的に、立派に見せています。

もう一つの印象を言うと、鉄道や幹線道路といった大量交通をいかに町の設計に組み込むかが、より意識された設計になってきています。中心軸のパークウェイは鉄道から約200メートルの距離を取って並行し、駅の正面からパークウェイに向かうハワーズゲート(またハワード!)と言われる大緑道と、T字型の緑地を作っています。

わかりやすく言うと、レッチワースのような「箱庭感」がありません。レッチワースの駅がかわいらしく町の端っこにひっついているような配置になっていたのとは、えらく違います。

駅からハワーズゲートを進んでパークウェイに突き当たり、この長い長いパークウェイを右手(北)に折れてどんどん進んでいくと、中央公園と言っていい扇形の大きなCentenary Woodland Gardenに突き当たります。

レッチワースがより「田園的」であるのに対して、ウェリンはより「都市的」に構成されていると言ってもいいでしょう。

ニュータウン育ちの目から見ると「あ、ニュータウンに近づいたな」という感じがします。この町のスタートは1920年(日本では大正時代)なんですが、そこは大英帝国ですから…。ただ、片側3車線もあるような道路はまだありません。そうなるのはもっとあとのことです。(つづく)

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