テラスハウスで出来た町(イギリス・スティブネジ)

(2013年8月に訪問した時の記録です。)あちこちのニュータウンや田園都市を2日間で見て回ったため、正直、このスティブネジも「駆け足見学」しかできなかったのですが、千里南公園のような緑地とシンボリックな高層住宅を抜けると、町並みはご覧のような2階建のテラスハウスが多数連なっていました。

田園都市のゆったりした町並みと比べればずいぶん庶民的な感じがしますが、大量の住宅の破壊が起きた第二次世界大戦後の社会状況で、「勤労者のための住宅を整備する」というニュータウンの目的を考えれば、これもずいぶん頑張った結果なのだと思います。 「勤労者のための」 という点は、むしろ当初の田園都市の精神を受け継いでいるとも言えますが、違うのは「量的に」という要請が強まったことです。

築60~70年近くになる計算ですが、そのわりには丁寧にメンテナンスされています。豪華ではありませんが、きちんとしています。

そしてこういった町の精神や実際の設計を参考に、千里ニュータウンは設計されました。初期住区には多数の2階建のテラスハウスがありましたが、簡易な構造で傷みも早く、いちはやく1990年頃には中高層に建て替えられてしまいました。しかしルーツのイギリス・スティブネジには、たぶん初期建築のテラスハウスが今も頑張っています。

古くなったニュータウンは建て替える?…ここでは、そういう発想はないようです。同じヨーロッパでも高層住宅ばかりでできた古い団地は非人間的であるとして除却したり、低層化したり(そこはまだ行けていない!)、フィンランドのタピオラでは建替を部分的に始めている町もあるので、一概に「ヨーロッパでは、こう」とは言えないのですが。(つづく

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