ここはヴェニスかリビエラか…(ザ・パール・カタール)

(2024年3月の訪問記です。)

ドーハ郊外の「国家の目玉的」都市開発「ザ・パール・カタール」。行ったのがラマダン期間中でまるで人通りがありませんでしたが、歩き回ってみました。すると…ややっ!これはヴェニスのカナルグランデに架かるリアルト橋!(のレプリカ。)スケールダウンはしていますが周辺の街並みも含めてかなりの再現性です。そして本物のヴェニスより間違いなく清潔です。

人がいないので、ますます「ここはどこ?」感が強まってしまいます。飲食店はあるんですがラマダン中の白昼でどこもやっていません。映画のセットか休業日のテーマパークに迷い込んだようです。

ニュータウンや新しい市街地は、デザインのよりどころを求めて未来志向に走ったり伝統的なモチーフを海外から持ってきたりすることがありますが、なぜ中東でイタリア?ネットをググると中東の王族はリビエラに遊びに行くとか書いてあったりしますが…この「ザ・パール・カタール」のデザイン・コンセプトが「アラビア湾のリビエラ」(リビエラ・アラビア)なんだそうです。

ニュータウン、リゾート、テーマパーク。「伝統の尊重」というより「非日常感」が大切なのでしょう。経済は飽和すると遊びに向かう…ということでしょうか。ドバイのパーム・ジュメイラのように「完全な非日常」ならいっそわかりやすいですが、それに比べるとおとなしい感じがするのはお国柄かもしれません。

遅れて来たポストモダンか?

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. 2024年 10月 10日

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る