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- それほどイタリアが好きなのか?(ドーハ・ヴィラジオ)
(2024年3月の訪問記です。)
炎天下、ラマダン下で人もいないニュータウン(ザ・パール・カタール)を歩くのも疲れたので、メトロを乗り継いで別の郊外地区にある大きなショッピング・モール「ヴィラジオ(Villagio)」にやってきました。モールに行けば何か食べられるんじゃないかと思ったのと、「メトロの終点にはニュータウン的な町がある」というのは、万国共通の図式だからです。ショッピング・モールは「普通の生活のあこがれ」を凝縮した場所ですから、(地元ではほとんど行かないけれど)海外の現代生活を見たければ、大変便利な場所でもあります。そこで見たのは…
う~ん…ここもヴェニスですか…。モール内に運河が造ってあって、それらしい衣裳をまとった係員がいてゴンドラに乗ることができます。背後に空のようなものも見えますが、ここは巨大な建物の中で、空も人工です。
あれ?「川のある街」と言えば1969年オープン当時の阪急三番街、「空のある街」と言えば1971年オープン当時の阪急ファイブではありませんか(いずれも大阪梅田)。地下街や建物の中に川や空など自然の事物を再現したしつらえは当時大きな話題になりましたが、ドーハの関係者が半世紀前の大阪を参考にしたかどうかはわかりません。「屋内に空を再現する」コンセプトは東京・お台場のヴィーナスフォートでも1999年に実行されているので、業界内で「伝承」されているのかもわかりません。
それにしても…あっちでもヴェニス(風)、こっちでもヴェニス(風)…(全然別の場所にあるのです)。それほどイタリア風は安定して集客が見込めるのか…?やはり中東はヨーロッパとのつながりが深いし、南欧の陽光風演出は「共感を呼びやすい」のかもしれません。
しかし飲食店は閉まっている…外見はイタリアなのに…モール全体はやっているしゴンドラまでやっているのですが、ファッション関係しか開いてない。そんなに服ばかり売られても…サンドイッチでもあんぱんでもいいから何か食べたい…
と、ふらふら歩いて行くと、大きな室内スケートリンクも出てきましたよ。中東でスケートリンク。「非日常」なら暑くても寒くてもいいのか…。子どもと家族連れで行くような、競技っぽくないスケートリンクです。空の演出装置が大活躍。ハラヘッタ。早く日が暮れてほしい…。この室内空間なら「人工的に夜にする」こともできそうですが、さすがにそれはルール違反のようです。
時間がない中で目立つスポットを駆け足的に回ったため「非日常ツアー」のようになってしまいました。今自宅でGoogle mapを見直すと、「いかにもニュータウン」なストリートパターンの住宅街が周囲にいっぱい広がっています。毎月1万人も人口が増えたら、住宅もどんどん作り続けないと間に合わないでしょう。「今出来風で気に入らない」とか言ってる場合じゃないのです。砂漠にいくらでも土地はあると言っても、砂漠の所有権って、どうなってるんでしょうか?用地買収とかあるんでしょうか?
この「落ち着かなさ」は異国への旅と言うより1960-70年代の日本郊外へのタイムトラベルかもしれないと思ってしまいましたが、この国の人たちに「平和な発展」が続くことを祈りたくなりました。
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