performing artsで地域の記憶を記録する(千里考今物語)

千里ニュータウンは「変わっていく町」です。抜群の立地に恵まれ、地域全体が寂れていく心配はおそらくない代わり、人や資本がたえず流れ込み、変わっていくことを止められない。そういう運命なのだと思います。(日本初のニュータウンが建設されたことや東洋初の万博が誘致されたこと自体、その大きな流れの一部だったように思えます。)

しかしそこに育ったり生活してきた人たちが、「ある時点の」千里に愛着を持ったとしたら…?そこにはたえず、現実と認知の間に「ずれ」が生じることになります。

その間を埋めるのが「地域の記憶の記録」です。展示であったり、写真アーカイブであったり…千里でも多くの企画が実行されてきましたが、この2年、豊中市立文化芸術センター(曽根)の主宰で行われてきたのが「千里考今物語」と題した一連の活動です。地域新聞を作ったり、ワークショップをやったり、古い話を聞き取って落語や漫才を創作したり…。豊中市立文化芸術センターの英文名はToyonaka Performing Arts Centerですが、なるほど、パフォーマンス(演芸)が施設の核にあるんだなと考えるとわかりやすい。

3月9日(日)まで「千里考今物語」の抜粋総まとめ出張版が、吹田市(南千里駅前)の千里ニュータウンプラザエントランスで展示されています。パフォーマンス(演芸)のモッタイナイ運命は「消えてしまう」ことです。でも記録や再表現がなければ、継承されることもない。「語り継がれる」というのは、そういうことでしょう。力作です!

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