雨の水郷(上海郊外・七宝)

ここはニュータウンというよりも、普通の公営住宅の団地でしょうか。「万博」や「都市再開発」のぴかぴかの風景を離れた、普段着の郊外です。
写真をクリックして大きく見ると、水路の向こうのほうに五重塔のような建物が見えます。実はこの町は、上海市内から地下鉄で行ける「いちばん近い水郷古鎮」の(とガイドブックに書いてあった)七宝(チーバオ)という町です。「古鎮」っていうのは古い町で、日本の観光ガイドブックに言うと「小京都」とか「小江戸」みたいなもんでしょうか。
ガイドブックでは団地が写り込んだ写真なんて絶対載せないですが、行ってみると古い町と団地がすぐ隣り合わせ…。普通の観光客はがっかりするかもしれないけれど、僕的には「すごくいい感じ」。雨になってしまったのも情緒満点。ぴかぴかの気張った町ばかり見た合い間には、すごく気持ちが落ち着きました。
団地の1階はお店になっていて、半分ぐらいは雀荘。こんなに雀荘だらけで共倒れしないのかな?というぐらいたくさんありましたが、どの店も人がいっぱいでジャラジャラやってました。近所の人の社交の場のようです。中国の町は(風水の影響なのか?)このように水路を引き込んだ町が多く見られますが、ここでも水路ぞいに一段低くなった遊歩道が造ってあって、水面ぎりぎりの低さでした。たぶん増水したら水没してもかまわない…という考え方でやっているのでしょう。
「雨に降りこめられる」という心情は、東アジアに共通のものなのかもしれないですね。でも今この風景を見ていると、ボサノバなんかも似合いそうです。

関連記事

コメント

  • トラックバックは利用できません。

  • コメント (4)

    • 生物博士
    • 2010年 10月 10日

    遠くに見えているのは、お寺ですか?
    またの上海、期待しております。

    • 奥居武
    • 2010年 10月 11日

    僕は行ってないのですが、七宝寺(七宝教寺)というお寺のようですね。
    http://25do.blogspot.com/2010/04/blog-post_10.html

    • 生物博士
    • 2010年 10月 11日

    七宝寺リンクやGoogle map ありがとうございました。
    しばし、Google mapに見入ってしまいました。私の環境ではなぜか地図と航空写真がずれてしまうんですが、航空写真も見れますね。Google street が無いのは残念。

    • 奥居武
    • 2010年 10月 11日

    地図と写真がずれてしまうことと、street viewが使えないのは僕の環境からでも同じです。しかし中国のなんでもない町がここまで見られるのはすごいことです。

好評発売中!

CITY LIFE刊のムックガイド。「歴史文化」「まちづくり」の取材が丁寧で大充実。「北千里を歩く象」の記事で協力しました。こちらから購入できます。

好評発売中!

樹林舎刊の写真集『吹田市の昭和』の千里ニュータウン部分を中心に、コラム執筆や写真のアレンジ、事実関係の確認などを担当しました。限定1,500部。書店でお申し込みください。

好評配布中!〔無料〕

千里ニュータウンの最新状況がわかる「千里ニュータウンマップ2018」の制作をお手伝いしました。このマップは南千里駅前の「吹田市立千里ニュータウン情報館」で配布しています。2013年版も在庫があります。

好評発売中!

吹田市立博物館とパルテノン多摩の2018年共同企画「ニュータウン誕生」の展示・図録制作をお手伝いしました。図録購入(吹田版)はこちら。多摩版はこちら。(内容は同じです)

アーカイブ

ページ上部へ戻る