日本最速の通勤電車(つくば→秋葉原)

5月8日からお届けしてきた「つくば」レポート、去年8月に行った分と、今年5月末に行った分をあわせたこともあり長くかかってしまいましたが、ひとまず終わりにしましょう。
つくば駅から、2005年にできた「つくばエクスプレス(TX)」に乗りました。まるで新幹線!速い!時速130km/hは、JR西日本が京阪神で走らせている新快速と並んで日本最速です。しかも、(JR在来線と同じ1067mm幅なのに)驚くほど揺れません。もちろん全部立体交差。つくばを出てしばらくは、ご覧のような一面の緑の中をまっしぐらに走っていきます。鉄道ファンでニュータウンマニアの私としては、心躍る光景です。車内では走行中もブロードバンドが使えます。
つくばはまちびらきから40年近く「鉄道がない町」だったわけですが、途中のこのような「家の埋まってなさ」を見るにつけ、この鉄道は明らかに都市開発を引き出すための先行投資型のプロジェクトであることが感じられます。
高度成長期のようなハイピッチの人口増加がどこでも望めなくなり、おそるおそるでしかアクセスを整備できないニュータウンが多い中、この力の入れようは、際立っているといえるでしょう。
しかも開通から4年、順調に(予測以上のピッチで)乗客は増えているようです。終点の秋葉原まで45分!一面の緑の中からサイバータウンの大深度地下まで、まるで手品のような車窓の変化です。
通勤電車を高速化することは、遠くに住んでも都心に速く出られるわけですから、通勤圏を拡大し、都心の不動産だけが高騰してしまわない経済価値を生みます。首都圏では1時間以内の乗車時間は長くありませんし、最近話題になっている「二地点居住」(平日は都心に住んで通勤し、週末は郊外に帰るとか…)を実践する人もいるでしょうね。(「速い通勤電車」は、もともと関西の郊外開発とセットで発展したものですが…)
古い公務員住宅が閉鎖される一方で、開発への強い意志が2009年の今も感じられる、つくば。これからどのような変化を続けるのか?また行ってみたいと思いました。
※明日からは皆既日食見物とニュータウン訪問で九州方面に行きますので、数日間更新できません。どうか晴れますように…

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