華麗なるユニット兄弟(芦屋浜シーサイドタウン)

手前の2階建は、工事の臨時事務所か集会所でしょうか。箱を積んだようないわゆるユニット工法…。芦屋浜シーサイドタウンの高層住区では、このユニット工法が大々的に採用されていることも大きな特徴です。手前の2階建と奥の高層住宅は、いわば「ユニット兄弟」。
高度成長期、戦災復興と人口の都市流入によって大量の住宅建設が求められたとき、問題になったのは「職人の不足」でした。伝統的な工法では、とても短期間に安定した品質の住宅を大量に供給できない…こういった要請から、多くの工業化住宅=「プレハブ住宅」が建設されるようになりました。
あらかじめ部材を規格化して工場で生産し、現場に持ってきて組み立て、現場あわせの職人仕事をできるだけ減らす…日本では1960年代から広まった「プレハブ住宅」は、当初は品質も十分なものではなく「仮設小屋」のイメージが強いものでしたが、やがて恒久的な住宅としての品質も向上し、工場で箱にしてしまうユニット工法に発展し、芦屋浜シーサイドタウンが建設された1970年代終わりには、このような巨大な超高層住宅の建設にもユニット化の手法が使われるようにまでなりました。
職人を大量に確保する必要がなく、現場工程が少ないために工事が天候に左右されにくく、工期も短縮できる…ユニット工法はまさに「ニュータウン時代」にぴったりだったのです。
最近の都心の超高層ビルや、千里ニュータウンでの団地建替にも、ユニット工法は広く使われています。むしろそのほうが一般的と言ってもいいぐらいです。
その礎を築いたプレハブ住宅メーカーはなぜか関西に多いのですが、これは関西の合理精神が生んだ光景なのでしょうか。高度成長期の阪神間を舞台にした小説「華麗なる一族」にも、ユニット・ハウスの高層化を進めようとする企業の話が出てきます。

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