成長とバブルの間で(上海郊外)

6月10日から続けてきた上海レポートも2ヵ月になってしまいました…今回でいったん終わりにしましょう。上海はあまりにも大きく、また開発のスピードが厖大ですさまじく、とても一度の訪問で掴みきれるものではないということが、よくわかりました。都心も郊外も右も左も全部ニュータウンみたいなものですから、また何度も訪問したいと思います。
「ニュータウンと万博」と言えば、日本の40年後を追って都市整備に突進している…という見方も成り立ちますが、それだけではありません。早くも余ってしまって、投機的に買われたニュータウンのモダンな住宅が人が入らないままになっている…というショッキングな光景も目にしました。
つまり「日本の40年後を追って」いるというよりは、日本の高度成長からバブル崩壊にいたる40年間を圧縮して同時にばらまいたみたいなことになっているのです。ニュータウンからニュータウンへ縫って疾走する高架の地下鉄に乗っていると、一夜のうちに過去・現在・未来3人の幽霊に連れまわされた「クリスマス・キャロル」のスクルージみたいな気分になります。
だぶついているニュータウンがあるというのに、いくつか離れた駅ではまたどんどん別のニュータウンを造り続けています。これらが全部埋まる日は来るのか?一度に造った町は、いつか一度に高齢化・老朽化するのではないか?中国の都市計画者は日本のニュータウンをどれぐらい見ているのだろうか?この景色は「中国だから」「上海だから」成立する「世界の例外」なのか?この開発は…エコなのか?どこまで行ったら「完成」なのか?ここに暮らす人たちは幸せな人生を送れるのだろうか?
今年前半、あまりにどどどっと日本のニュータウンを見て回り、それが終わらないうちに海外にも手をつけてしまったので、考えが自分の中で熟成するには少し時間がかかりそうです。
ニュータウン、世界の果てまで行ってもきりがないのでは…という気がしてきました。「町をつくる」ことは、文明の営みそのものなのではないでしょうか。

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