静かに町は変わる-3(団地建替と歩道設置)

やっと猛暑も一息。千里ニュータウンの藤白台小学校もノーマル授業が始まり、運動会は密を避けるため三部制になるなど変則対応は続いていますが、とにかく学校のチャイムが聞こえてくるのは、いいものです。(生活音として半世紀以上聞き続けてきたので、学校の音がないと自分の生活にもスイッチが入らないことが、よ~くわかりました…。)

さてその小学校への通学が増えている、小学校西側の市道。府営住宅は高齢化して建替もまだ途中なので児童数は昔よりずっと減っていますが、社宅から建て替わった一丁目のマンション群から通学する児童が、大勢ここを通ります。

この道に面した府営住宅は順次建て替わったりマンションになったり長~い「生まれ変わり」の最中ですが、この建替と同時に、敷地境界をセットバックして歩道を新設する工事も進んでいます。車椅子同士がすれ違える、3メートル幅の立派な歩道です。

この市道はもともと「生活道路」という位置づけなので歩道はありませんでしたが、2006年頃から千里ニュータウンの団地建替が始まるにあたって、吹田市の誘導で、OPH(公社)、府、新たに土地を買った民間マンション開発者は歩道を設置し、完成後に市に移管する施策が勧められました。

これは「誘導策」なので、必ず絶対そうなるという強制保証ではありません。しかし市の「おすすめ」によって、地元の代表とされている連合自治会が働きかけ、藤白台の大規模建替では、どこでもこの歩道の整備が進んでいます。

この写真の場所では、左奥の民間マンション建設現場(旧B13-15棟部分)でまず歩道の整備が行われ(車道を削るのではなく団地の敷地だったほうをセットバックしています)、つづいて左手前、まだ建設プランは決まっていなくて旧府営B16-20棟の退去だけが進んだブロックも、仮塀を左に下げて設置してもらい、工事期間中も歩道が続くように融通していただいています(手前の歩道は、建設計画が決定後、正式に本整備される予定です)。

まさに「過渡期」の光景ですが、歩道の設置は側溝もやり直さなくてはなりませんし、電柱や標識の位置もすべてさわらなくてはなりません(千里ニュータウンでは、電柱はもともと「車道の端」ではなく「歩道よりも敷地内側」に設置されています)。地元の粘りと、開発事業者、工事担当社の協力によって、ようやく新しい歩道がつながっていきます。

これがほんとの「地道」というやつだな。

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