これが千里に欲しかった(URまちとくらしのミュージアム)

団地4棟、まるごと保存!(うち3棟はスターハウス)+展示棟を新設して同潤会~日本住宅公団~URの団地の歴史が貴重な史料とともに解説付きで見られる(各時代の団地室内も再現されている)という、マニアには鼻血が出るような一角が、東京・赤羽台の「URまちとくらしのミュージアム」。

もともと八王子にあった関係者向けの企業技術史料館を、一般向けに対象を広げて2023年秋に移設した施設ですが、やっと見ることができました。完全予約制で、通常は日に3回のツアーのみ(1回約20名限定)で観覧でき、これがなかなか空いていないのです。(でも無料!)

ツアーは約1時間半。ほぼ立ち詰めなので体力が要ります。解説はわかりやすく、質問をしても的確に調べて答えてくださいます。展示棟は新築で、オリジナルのスターハウス(団地初の登録有形文化財)に入れるわけではありませんが、きれいに整備された外観を窓の外に見ながらのツアーは、贅沢な体験です。団地は建物だけではなく、「建物のある空間全体」が団地なんですよね。

これが千里に欲しかった!赤羽台のスターハウス等が登録有形文化財に指定されたとき、「あ~やられた~」と思ったものですが、千里ニュータウンを造った大阪府企業局は日本住宅公団(UR)とはライバル関係で、ですからURの歴史にニュータウン開発は出てきますが千里ニュータウンはほぼ出てきません。だいたい自分たちが基盤から手がけた高蔵寺ニュータウン(愛知)の話で始まり、多摩ニュータウン(東京)につながっていきます。

その大阪府企業局は関空関連で大赤字を出して2006年に解散してしまい、千里中央にあった千里ニュータウンの開発記念室は廃止されてしまいました(その跡にタワーマンションが建っています)。その資料のうち公文書類は府庁内の大阪府公文書館に吸収され、公文書以外のものは(豊中市側の資料も含め)吹田市が引き取って南千里の「千里ニュータウン情報館」にまとめられています。

ということは、両館は東西の双璧をなす…と言いたいところですが、赤羽台の立派さを見てしまうと…(以下省略)いやいや!千里だってこれを励みに頑張らなくては!「まちとくらしのミュージアム」とあるように、展示されているのは団地の部材や技術だけではなく、「まちとくらし」への視点なのです。赤羽台は「大規模団地」と言うべきで「ニュータウン」と言うほどの広がりはありませんが(この一角以外は建替が完了)、この「URまちとくらしのミュージアム」、ニュータウン関係者には、必見です。

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