ドバイの御堂筋と申しましょうか…

ドバイの人口は約350万人。ざっと「横浜市と同じ」という感じですが、面的な広がりは少なく、コンパクトにまとまっています。メトロは2本。1本目の赤いラインが走っているのが、海岸線から約2キロの場所を平行して走っている都市軸(SHK ZAYED Rd.)で、御堂筋のようなものです。

私はもう完全なお上りさんですから、都市の印象を掴むために上った世界最高層(828m!)の「ブルジュ・ハリファ」の上から見た景色がこれ。都市軸に沿ってわかりやすく高層ビル群が立ち並んでいます。左上に少し海が見えます。メリハリがハッキリしているというか、意外と低層の建物も多いことがわかります。

UAE(アラブ首長国連邦)が独立したのが1971年、以来「奇跡」とも言えるスピードで、この都市風景が現れました。国全体で約950万人のうち、1/3がドバイに集中していることになります。ドバイは首都ではありません。首都は隣のアブダビ。経済と政治の中心が分かれています。

SHK ZAYED Rd.は片側5車線の大幹線で、そぞろ歩くような風情はありません。基本的にはクルマ社会です。メトロのレッドラインは大半が高架を走っているので北大阪急行のような感じです。2009年開業。すべて新しくて、清潔で、安全。フル・シールドのホームドアがついているので、車両の写真はホームの端に行かないと撮れません!車両は、わが日本は大阪の近畿車両製です!日本の鉄道技術は優秀だな。

自動運転で、早朝から深夜まで、3~5分間隔でひっきりなしに電車が来ます。都市の基幹交通が大衆に開かれているというのは、社会の発展力を感じます。5両編成のうち、南寄りの半車はゴールド・クラスと言って、少しイスが良くて、料金は倍。着席保証ではないけれど空いています。北寄りの半車は優先座席。お客さんのマナーはとても良く、優先座席でもない車両で、僕は遠くから手招きされて席を譲られてしまいました。(よほど疲れて見えたのか?)

3枚目の写真は、メトロを補完する形で一部に入っているトラム。2014年開業で、メトロより新しいのです。低床式で、カッコよくて、アルナ車両製では残念ながらなく、フランスのアルストム社製です。

メトロ、トラム、バス…これらはsuicaのようなチャージ式の共通ICカード「NOLカード」で乗ることができます。RTA(ドバイ道路交通局)という同じ組織体が一括運営しているのです(パーム・ジュメイラに行くモノレールだけが別!)。さて、ドバイと日本、どちらがより自由主義的なのでしょう?

(2024年3月の訪問記です。)

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