千里ニュータウンがモデルにした町(イギリス・ハーロウ)

(2013年8月に訪問した時の記録です。)第二次大戦後、イギリスでは多数のニュータウンが政府によって建設されましたが、中でも千里ニュータウンに強い影響を与えたと言われているのがハーロウ・ニュータウンです。

ロンドンから北東へ30㎞あまり。先輩のスティブネジ・ニュータウンよりもやや都心に近いのは、面白い現象です。日本ではあとから造ったニュータウンほど都心から離れていくものですが…。イギリスでは平野が多くて土地があるのと、ルーツの「田園都市」は自立した都市をめざしていたものが、逆に「ロンドンで働く人たちを収容する」というベッドタウン的な考え方に変わっていった現われかもしれません。

玄関口の駅名は「Harlow Town」。なぜか「Town」がつきます。「高槻市」みたいなもの?これはロンドンの中の一角にハーロウという別の地区があり、区別するためだ…と同行のSさんは知った顔で言っていましたが、ほんまかいなと調べたらそちらは「Harrow」ではないですか。綴りが違います。

これはむしろ、隣に 「Harlow Mill」という駅があって、町の中心部にはこちらですよ… と「Town」をつけたのではないでしょうか。言ってみれば「千里中央」みたいなものです。さらに調べると 「Harlow Mill」駅のほうが1842年からあって、元は「Harlow」駅だったそうです! ニュータウンが出来て町のメイン駅が変わってしまった格好ですね。「本八戸」と「八戸」のような関係でしょうか。

しかし「Harlow Town」駅はニュータウンのはずれにあります。町の中心部にはバスで向かわなくてはなりません。高蔵寺ニュータウンみたいです。(つづく

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