ニュータウンと「時代」
- 2009/1/1
- 藤白台
- まちづくり, 公園, アート
- 18 comments

2009年が明けました。当方ただいま忌中キャンペーン実施中につき新年の賀詞は控えさせていただきますが、今年も「アラウンド…」を書きますので、お楽しみいただければ幸いです。
2009年の「アラウンド…」、昨年からの積み残しになっている北海道の「恵み野」、成田、つくばの訪問レポートをお届けするほか、まだ行っていないニュータウン訪問も実行したい!泉北、西神、明舞、香里…近場の関西でもきちんと行けていないところがたっくさんあります。藤白台の変化(建替+季節の)や、千里ニュータウン全域のネタももちろん!上新田もまだ一度もやってないなあ…山ほどテーマはあります。
ニュータウンの本を書くことを意識して、取材を続けたいと思います(千里ニュータウンの更新がどんどん進んでしまうので急ぎたい気持ちもありますが…会社の仕事もありますからネ…)。
こちらのオブジェは、藤白公園の「予言者」(今村輝久)。穴があいてる向こうに、どんな未来が見えるでしょうか?
あちこちのニュータウンを訪ね歩いて実感することは、ニュータウンというものは、ある時期に集中的に計画・建設されるため、普通の町よりも「時代の波」をかぶりやすいということがあります。
千里ニュータウンは高度成長がピークを迎えた1970年までに造りきってしまったため、大きな番狂わせはなく基盤を整えることができましたが、1973年のオイルショックをまたいだ後続のニュータウンでは、計画が変更されたりスローダウンされた例がいくらでもあります。
そして、今。千里ニュータウンは大規模更新期のさなかに経済環境の激変を迎えています。大規模更新は面積、予算、期間ともに「大規模」であるわけですから、計画への影響が何らかの形で出ないとも言いきれないでしょう。(もちろん杞憂であればいいのですが…具体的には、一度にたくさんの新住宅を供給できるのか?供給できたとして借り手、買い手がつくのか?という問題です。)住民生活への余波が不利な形で出ないことを願うとともに、事業者の方には、暮らしを守る立場に立った判断と、わかりやすく迅速な情報開示をお願いしたいです。
経済がスローダウンしてもスピードアップしても、「暮らし」というものは淡々と続けていかなくては…。
正月にしては「見通せない」話で恐縮ですが、世の中とにかくこういう時代なので、波が来てもうろたえず、しぶとく!行きたいですね。皆の「暮らし」の積み重ねである「藤白台」も、ずっと続いていくわけですから…
コメント
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コメント (18)
はじめまして、突然のコメントで失礼させていただきます。
彫刻家だった今村輝久の娘で今村悦美と申します。今年が父の没後10年ということで、現在、作品をウエッブサイト上に取りまとめようとしております。偶然この藤白公園のモニュメント「予言者」の写真が見つかりました。もし差し支えなければこの写真を作品サイトに使用させていただけないかと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
それはそれは!作者さんの娘さんですか。それならばもちろんOKですが、もっと大きなデータで撮っていますから、こちらのURLをブラウザーの上の欄にコピペしてダウンロードしてください。
https://dl.dropboxusercontent.com/u/72084400/L1000095.JPG
毎日この予言者に見守られながら通勤しています。藤白台は今年まちびらき50年を迎えます。サイトができましたらぜひ教えてください。
写真がきれいに撮れているので大変助かります。大きなデータもありがとうございます。
この作品がまだ残っているのが不思議なぐらいです。いつか実物を見に行くつもりです。ウェッブサイトが出来上がりましたら、お知らせさせていただきます。よろしければ写真家の欄にお名前を書かせていただこうと思いますが、どうでしょうか。
今村さま、この写真は銘板があるほうの「裏」から撮っていますが、それでもよろしいでしょうか?この作品に表裏があるのかどうかもわかりませんが…。正面から撮ると背景が松林になってしまうので、公園の雰囲気を入れようと裏側から撮ったような気がします。写真のクレジットを入れていただけるのは大変光栄です。「アラウンド・藤白台」か、「奥居武」と入れていただければ幸いです。
古い作品ですので、私もよくわかっていません。:-) お名前を入れさせていただきます。ありがとうございます。サイトが仕上がりましたら、お知らせさせていただきます。
今村さま、ぜひ一度「予言者」を見にいらしてください。千里ニュータウンは今、初期の団地をどんどん建て替えていて、この写真の背景の団地も目下工事中で、もうありません(マンションになります)。公園の片隅でじっとたたずむ「予言者」に、未来を教えてほしいこの頃です。
ウエッブサイトが98%できあがりましたので、お知らせさせていただきます。画像をクリックして拡大写真にしていただければPhotoCreditがでるようにいたしました。
http://teruhisaimamura.org/
ご協力大変ありがとうございます。
お知らせありがとうございました。本当に多数の作品を作られ、そのひとつが藤白台にたたずんでいることがわかりました。膨大な足跡をまた整理されたご苦労に頭が下がります。見慣れた彫刻にもこれだけの背景、作者の足跡があることがわかって、町を歩く楽しみがまた一つ増えました。ありがとうございました。
1990年に伊丹美術館で大きい個展をさせていただきました。そのときの資料、写真等で2/3は整理できていましたので、それほど大変ではなかったです。セメントの野外彫刻は老朽化が早いと思いますので、取り壊される前に予言者を見に行くつもりでいます。
そうですか、セメントも劣化するのですね。見たところまったく健全に見えますし、いつまでもそこにあってほしいですが…。ぜひいらしてください。阪急千里線北千里駅から徒歩10分ぐらい。藤白公園はかなり高低差がありますが、予言者があるのはピアノ池の上のほうです。藤白台小学校の校門を目印にしたほうがわかりやすいかもしれません。
ちなみに、千里ニュータウンに屋外彫刻はどのくらい存在してるんでしょうかね。北公園とか、南公園の彫刻は、当時幼少の自分にとって遊具みたいなものでした。ひとつひとつ写真を撮ってまわりたいと思っています。千里中央の「ステンレスの林」が撤去されてしまい、寂しい限りです・・・
大小合わせると、30は下らないと思います。50近くあるかな?3つの地区公園、住区公園、駅前…
リストを作り写真とともに紹介したいですね。万博記念公園も入れると、なかなかの規模になりそうですね。
南千里の「千里ニュータウン情報館」に行くと、関連リストがあるかもわかりません。最近土日は無人対応になってしまったのが残念ですが、平日に問い合わせておくとどうにかなるかも?
情報ありがとうございます。有給を取るのは難しいのですが、機会を見て平日に直接行って問い合わせてみます。活動開始は秋からかな?
係は西本さんという女性が一番詳しいです。僕から聞いたと言ってもらってかまいません。市では完全なリストは作ってないと思いますが、住民有志でマップとか一覧を作ってた人は(最近)いたはずなので、西本さんに聞けばわかるかもしれません。
西本さんを訪ね、お話を伺ってきました。1967年の屋外彫刻展の新聞記事をたよりにするしかなさそうです。「予言者」も見てきました。意外と状態は良いように思います。ただ、台が痛んで銘板がついていると思われる面が剥がれ倒れていました。藤白ロータリーにある「翼のある車輪」は、周りの植生が大きく、彫刻が見づらい状態です。
全体的に、せっかく彫刻があるのに管理が行き届いていないというのが感想です。もう少し関心を持っていただいて、丁寧に扱ってもいいんじゃないかと。
私が集めた今日現在の情報です。
・千里一号線東入口:「番人」
・佐竹台菩提池公園:「母と子」
・北町樫ノ木谷公園:「欣びの精霊」
・北町のロータリー:「腕をくむ」
・青山台寅谷公園:「壁訴訟」、「石花」
・藤白台北公園プール入口:「翠」
・藤白台北公園:「天の子」「風の道」
・高野台大和谷公園:「渦柱」
・南センターオアシス角:「銀河」
・南センター専門点裏:「歌の聞こえる丘」
・千里南公園:「コスチューム」、「間」、「灯篭」、「碑」、「日と風と雨と」
・津雲台センター前:「希望」
・津雲台北ロータリー:「おしゃべり」
・古江台申谷公園:「宇」
・藤白台ロータリー:「翼のある車輪」
・藤白台公園:「予言者」
・古江台北地区センター:「ペルシャの市場」
・千里中央公園:「二人」、「おばQ」、「あほんだら獅子」
・千里中央ツインビル別館
・新千里西町・千里アートロード
・北千里駅前「集」
おおお。すご~い!ありがとうございます。寅谷公園、大和谷公園、申谷公園はそれぞれ、今では青山公園、高野公園、古江公園と名前が変わっていますね。これ全部、今でもあるのかどうか?北センターの「ペルシャの市場」は知らないですし、「南センターオアシス角」も(今の場所は3ヵ所めなので)どこのことなのか…?藤白公園の「予言者」は、たしかに台座の化粧版がはがれているのです。ちょっと危ない。これを機に撤去!なんてことにせず、ちゃんと修繕してほしいものです。