静かに町は変わる-2(マクドナルド・ハウス跡)

国循(国立循環器病研究センター)の移転と一緒に、千里ニュータウンから消えていったのがマクドナルド・ハウスです。

この施設は、あのマクドナルドも支援している(独立した)社会貢献事業で、難しい病気で長期の入院を余儀なくされている子供の家族が、病院の近くで滞在できる施設。難しい病気では、治療のために家を遠く離れて長く入院することも出てくるわけですが、とくにそれが子供の場合は、家族の心労や経済的負担も大きなものがあります。

そういう家族を支えるために、マクドナルドが財団を作り、日本では現在11ヵ所で運営されています。吹田は4ヵ所目でした。世界中では375ヵ所もあるそうです。

これを国循の近くにも…と、道路をはさんだ青山台側に「ドナルド・マクドナルド・ハウス おおさか・すいた」がオープンしたのは、2005年10月のことでした。これが2019年6月末に国循とともに移転、名前も「ドナルド・マクドナルド・ハウス おおさか健都」と変わりました。千里にあったのは14年間でした。

開設当初はこういった企業の社会貢献事業を理解している人がとても少なく、いろいろ地元ではあったのですが…ともあれ、14年間でも多くの家族の支えになってきたことは、忘れてはいけませんね。

そこで、14年弱しか使ってこなかったこの瀟洒な建物がどうなったかというと…吹田市が買い取り、1年近く眠っていましたが、改装工事を経て、「吹田市立休日急病診療所」としてまもなくオープンする予定です。(現時点では、まだです!)

休日急病診療所はもともと南千里の済生会病院(旧新千里病院)と同じ敷地にあったのですが、これが2015年、建替のためにいったん豊津の保健センターの中に仮移転していました。今回、千里から見れば「帰ってきた」ことになります。

国循にともなったマクドナルド・ハウスの移転には3.5億円が必要とされましたが、1.5億円は吹田市がこの建物を買い取り、残り2億円を一般からの寄付で、この移転が実現しました。

この場所は駅からも離れていて、また吹田市内では最北端に近いので「その立地でいいのか?」という声も出ましたが、休日診療所は7割が自家用車またはタクシーで来るということから、総合的に判断されたようです。

大勢の人の尊い善意で成り立っているマクドナルド・ハウス、中身が岸部に行ってしまったのは寂しいですが、素敵な建物が無駄にならなくて良かったです。

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  1. 2020年 5月 31日

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