外食文化とまちづくり(シンガポール・トアパヨ)

(2018年7月に訪問した時の記録です。)「シンガポール 外食文化」で検索すると国交省のページから旅行社のサイトから多数出てきますが、「外で食べる習慣がさかんだ」ということは間違いがないようです。「3食外食」という人も少なくないとか…。いつも暖かい気候とも関係があるのでしょうか。

ということは、「人のにぎわい」が町に出てくるチャンスが日に3回あるということです。計画都市での「まちのにぎわい」づくりには有利ですが、それだけ「食べる場所」を用意しておかなくては「まちを作った」ことにならないわけですね。

トアパヨに行った時も平日の昼時でしたが、タウンセンターはすごい活気!写真のようにモールの1階部分に多数飲食の販売コーナーがあり、オープンテラスのフードコートのような形で通路と一体化したスペースで大勢の人が食事をとっていました。セルフサービスで席を確保して、奥で注文して持ってきます。しかしそこはシンガポール、無秩序にははみださず、屋根のある範囲にきちっと収まっていますね。

そして客層が…老若男女全部いる!ビジネスっぽい若い男性も女性もいて、サラメシを忙しくかきこんでいる感じの人も。日本のニュータウンでありがちな、平日の昼は主婦層と子供しかいない…という光景とは大違いでした。(しかしビジネスオンリーでもありませんでした。)この多様性は、なぜだろう?

トアパヨはシンガポールの中では早期に開発された団地(ニュータウン)なので、都心に近く、わずか5キロちょっとしかありません。だから「職住渾然」の町になっているのか?…団地の中はどう見ても住宅用途に特化された(ニュータウンらしい)町並みでしたが、たとえば駅前にある住宅開発庁(HDB)…日本のURのような大組織…の本部に勤めている人が、ここでランチを取っているのかもしれません。「職住渾然」といえば、千里の近くでは江坂のような感じが近い気がします(トアパヨでは、センターと住宅エリアはもっとハッキリ分かれていますが)。

「どれだけ外で食べる習慣が定着しているか?」は、まちづくりに大きな影響を及ぼすということですね。日本マクドナルドの創始者である藤田田氏は「日本の家からキッチンをなくす!」「主婦を料理から解放する!」と言っていたそうですが、海外での活発な外食光景を目撃して、そのセリフを思い出しました。食事は家庭で手作りで…というのも、一つの価値観でしかないわけです。「外に食べる場所がある」ことは、とても大切なポイントですね。

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