高野台のレポートを続けます。「大和谷自治会」と書かれた古びた掲示板。手前は建替直前の府営住宅の一角。一方、道路の向こうでは建て替えた新棟が最後の仕上げに入っています。

「大和谷」は「やまとだに」と読み、千里ニュータウンができる前の、この土地の旧小字名です。「吹田市大字山田中字大和谷」。1955年までは「三島郡山田村大字山田中字大和谷」。(資料によれば、「大和小谷1」「大和小谷2」に分かれていたようです。)ニュータウンの開発によってこの場所は1963年から「吹田市高野台一丁目」になりましたが、府営住宅の自治会の名前は、この旧小字名を取っていたのです。山田村が消えてからわずか8年後のことでした。

旧小字名の多くは、ニュータウン開発によって「公式な名称」からは消えましたが、激しい開発への罪悪感がそうさせたのか、一部は新しい町名にアレンジされたり、施設名、公園名、自治会名などに痕跡を残すことになりました。

高野公園に2015年まであった「南千里市民プール」は、開設時には「大和谷プール」でしたし、高野公園自体も吹田市に移管されるまでは「大和谷公園」を名乗っていました。

これらの旧地名は、電柱の所在地表示に、今も残っていることがあります。インフラの整備は開発の早い段階で整えてしまわなくてはならず、新町名の決定を待っていられないからでしょう。

その旧地名を残した府営住宅も57年を経て建替の時期になり、段階的に新棟への移転が進んでいます。多くの場合、棟が集約されるために自治会の組織も変わることが多いようです。新しい自治会の名前は、どうなるのでしょうか?

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コメント

    • Tek
    • 2020年 11月 10日

    泉北ニュータウンでも、ニュータウン内の小学校に旧地名がついているものが2箇所ございます。

      • 奥居武
      • 2020年 11月 10日

      各ニュータウンと旧地名の関係は、十分研究に値するテーマですね。千里でも吹田市と豊中市とでは、はっきり方針に違いが見られます。泉北ニュータウンも今は紅葉がきれいでしょうね。お訪ねしたいと思いつつ、あたふたしながら今年も11月がすぎていきます…

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