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塀と電柱がない戸建区画(彩都)
- 2008/1/23
- 日本のニュータウン, 関西
- まちづくり, 戸建
- 2 comments
数日間中断してしまいましたが、1/16の続き、彩都のレポートに戻ります。
戸建区画の中に入ったところです。区画自体は60~70坪といったところでしょうか、千里ニュータウンの100坪平均より狭くできていますが、このような細街路まで電線が地下化され、また家と通りの間に塀や柵もない造りが徹底していることがわかります(家と家の間にフェンスが見えるだけ…)。このために通り全体がすっきりと一体化して見えます。
前に訪問した神戸三田のワシントン村と共通したポリシーですが、三田はバブル期を中心に分譲され、思いきり贅沢な区画割りになっていたのに対し、彩都はもっと景気が冷え込んでから売り出されていますので、サラリーマンでも頑張ればお求めになれそうな(現実的な?)価格の区画割りになっている点が違います。
ニュータウンは売り出し時期の経済状況が顕著に町の設計に反映されます。売れないほどの理想を追っても、売れ残ったら造ったほうも困るからです。千里ニュータウンの戸建が100坪平均などという、今の感覚からは贅沢な区画割りになっているのは、高級住宅地を造ろうとしたわけでは決してなく、地価が安いうちに買収できたからに他なりません(良好な街並みは造ろうとしました)。千里なんてタケノコとマムシだけが名物の山奥だったし、ニュータウンというものは出来上がるとスゴインダゾなんてことは全く実証されていなかったわけです。安く土地を仕入れてゆったりと街並みを造れたのは、第一号ニュータウンだけのアドバンテージでした。
彩都のコンパクトながらに「良い景観」を生み出そうと工夫した街並みは、大きな夢なんかは持たないけれど現実処世はスマートな最近の若者みたいです。それはポストバブル時代への適応ということなんだと思います。
千里ニュータウンも開発当初は、できるだけ塀は造らないように、区切りたければ生垣で、開放的な街並みを保つように…というパンフレットが入居者に配られ、実際に、造成したっきり竹垣だけで区切ったズンベラボンの状態で入居者に引き渡されましたが、時代が下がるにつれ、ノリ面が石垣になり、竹垣が鉄になり、塀が造られ、やや閉鎖的な「お屋敷風」に変わってきてしまいました。彩都は今の工夫を、どこまで保っていけるのでしょうか。
コメント
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コメント (2)
≪彩都は今の工夫を、どこまで保って・・・≫ そうですよね。いきなりパンツばらまき事件の犯人がこの彩都の住人だったもんね。塀や柵がないので、パンツを投げ込み放題だったのです。逮捕の日以来、犯人の家は夕方になってもに電灯が点いてません。この種の犯罪が続くと・・・考えちまうね。
この事件に関して個人名と大まかな住所に言及した部分は削除させていただきました。近隣の方や家族の感情というものもあろうかと思いますので…。このような事件で「やっぱり塀や柵がないと…」とならないことを願います。それは関係がないことだし、囲ってしまえば安全か?と言えば、外からは中で起きていることがわからなくなり、中からは外で起きていることがわからなくなるので、それは違うからです。