神戸市は震災後の14年間で、人口の1/3が新しい住民に入れ替わったそうです。
これを多いと見るか少ないと見るか…震災が人口移動を後押しした面はあったにせよ、14年の長さで1/3というのは、大都市であればそんなものではないか?という気もします。大阪市や東京23区ならば、もっと入れ替わりは激しいのではないでしょうか?いろいろな人が入れ替わり立ち代りやって来ては去っていくのが、都市というもののの本質であるからです。(会社だったら定年まで40年あまりとして、やはり14年で1/3ぐらいは入れ替わる計算になります。)
でも、構成する人が入れ替わっても、何か「その街らしさ」というものの引き継がれていくのが、また面白いところです。神戸は本当に「よくここまで壊れた」というぐらいの壊滅状態になり、「よくここまで直した」というぐらい、(失われた景色も多かったけれど)いま目の前にある街は、やはり「神戸」です。大阪でも京都でも長崎でもありません。坂道に迫るたそがれには、遠い昔に亡くなった人も立っていそうです。
千里ニュータウンもこれから10~15年ぐらいかけて、たぶん1/3以上の建物が入れ替わることが想定されています。世代交代も進むでしょう。そのあとで、やっぱり千里ニュータウンだなと思える町になっているか…?「千里ニュータウンらしさ」って何なのか?そこに暮らしている人が、すこし自覚的に考えていくことが、たとえ未曽有の天変地異があっても失われない「その街らしさ」をつないでいくことになるのではと思います。

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