NHKドラマ『追う男』を追って
- 2011/10/4
- ニュータウン内, 千里ニュータウン
- まちの記憶, カルチャー
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1986年のNHKドラマ『追う男』に千里ニュータウンがいっぱい出てくるとコメントで教えていただき、さっそくDVDを買って見ました。主演・松田優作。千里ニュータウンの社宅に住む団地妻を烏丸せつこが演じています。松田優作・烏丸せつこ・千里ニュータウン。そのからみだけでどんな展開なのか?…もう興味津々です。
たしかに!「千里サンタウン」と名乗っていたリニューアル直前のせんちゅうPAL+セルシー広場はとてもなつかしいし、北大阪急行に乗って家路につく烏丸せつこを、しがない興信所調査員の松田優作が新御堂筋のクルマで追跡するシーンは「そんなカッコつけないで北大阪急行に乗ればいいじゃん」とツッコミつつ、千里住民としてはシビレる設定と言えるでしょう!あ…これ、サスペンスなんです…タイトルでわかるか…。
メインのロケ場所は、桃山台。画面から目星をつけて、さっそく行って現況をたしかめてきました。はっきりと画面に出てくる公団のC11棟は現在建替中で姿を消していますが、隣りの「にれのき公園」は25年前とほぼそのまま…。この写真、中途半端な構図に見えますが、映画のワンシーンとほぼ定点なんです。白っぽかった公園は緑が成長してやや鬱蒼とした感じになり、向こうの建物(保育園と小学校)は今は隠れて見えません。ドラマでは右手前にあった回転遊具は撤去されていますが、あとはそのまま…遊ぶ子供たちの姿もドラマの当時と変わりません。街灯の奥で囲われたように凹んでいる広場では松田優作が子役の女の子と遊んでやるシーンが何回か出てきます。松田優作広場って名づけたら、ニュータウンの観光名所になるんじゃないかな?
ドラマの舞台になっている社宅もこの近所かと思い探しましたが、わかりませんでした…。社宅の仲良さそうで気づまりな人間関係がドラマの重苦しさを増す重要な要素になっているのですが…ヒキのショットで真東に山が見えるカットがあるので、この社宅のロケは千里ニュータウンではないのかもしれません。(電柱が敷地内にセットバックしていず、道路に立っているのが千里ニュータウンと違います。)
『青春のお通り』『ホームレス中学生』…映像や小説などに、千里ニュータウンはしばしば登場します。そこに描かれたニュータウンの姿を時代順につなげると、千里ニュータウンがどのようにとらえられてきたか?変化がわかって、面白いんですよね。このドラマが撮られたバブル前夜の1980年代中盤は、1960年代のようなモダンライフの興奮も去り、70年代のトイレットペーパー騒ぎのような珍事件もなく、千里は、平和で、ちょっとリッチな憧れの町で、しかしそれゆえに日常の退屈さと裏腹…という描かれ方になってきます。そこにサスペンスを放り込むと、対比が生まれるわけです。90年代以降は、ニュータウンは老朽化が目立つようになり、回顧の視点が入ってくるようになります。さて、2010年代は?
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コメント (4)
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キャリーサービスの場所は鶴橋駅近くですぐわかりました。私、実は松田優作ファンで、なおかつロケ地探訪も趣味なんです・・・(笑)
千里ニュータウンは「部長刑事」(古~^^;)のロケにもよく使われていましたね。
古江台の展望台や藤白台ではふじのき公園の大滑り台で子どもが誘拐される場面など・・
「追う男」見てみたいです。
追う男、NHKオンデマンドでも視聴できますよ。
阪急グループ提供、関西テレビ製作の阪急ドラマシリーズでも、千里ニュータウンをロケで使っていたそうです。詳細は不明ですが・・・
ふじのき公園で誘拐ですか…それは見たかったですね。最近では2007年のNHKドラマ『ジャッジ』で、主人公が転任する前の大阪の家が千里にあることになっていました。
http://www.nhk.or.jp/drama/archives/judge/
セリフでもそう言っていたし桃山公園のような池の端でロケシーンも出てきましたが、ほんの一瞬…子役の関西弁がコテコテで「これは千里の子供じゃないな」と思ってしまいました…。